東京電力福島第一原子力発電所の事故で、湿度や放射性物質の濃度が高いため作業が難しくなっている2号機の原子炉建屋について、東京電力は、1号機と同じように放射性物質で汚染された空気を浄化したうえで、今月14日以降に建屋の扉を開放して湿度を下げ、作業環境の改善を図ることになりました。
福島第一原発の2号機の原子炉建屋は、使用済み燃料プールや原子炉建屋の地下からとみられる水蒸気の影響で、湿度が99.9%と高いうえ、放射性物質の濃度も比較的高く、防護服やマスクを着けた長時間の作業が難しい状況です。東京電力は、2号機の原子炉建屋についても、1号機と同じように浄化装置を置いて、中の空気に含まれる放射性物質の濃度を下げたうえで、建屋の扉を開放して湿度を下げ、作業環境の改善を図ることになりました。浄化装置は原子炉建屋の隣の建物に2台置かれ、ダクトを通じて建屋の中の空気を吸い出して、ヒーターとフィルターで湿気や放射性物質を取り除いたあと、建屋の中に戻す仕組みです。東京電力は、この装置を今月11日までに設置し、3日間程度動かして、放射性物質の濃度の低下を確かめたあと、今月14日以降に原子炉建屋の扉を開放して、湿度を下げたいとしています。福島第一原発2号機では、早ければ今月中旬にも、水素爆発を防ぐための窒素の注入や原子炉内の水位計の校正などの作業を始めることになっていますが、作業環境の改善がどの程度図られるかによって、今後の作業が左右されることになります。