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2011年6月9日(木) 19:30 |
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震災で損傷した収蔵品を修復
東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市では、市立博物館が津波で破壊され、収蔵品にも、傷や汚れなどの被害が出ています。 その植物の標本などを修復しようと、倉敷市の市立自然史博物館が協力、学芸員らが連日作業を進めています。
倉敷市立自然史博物館で進められている修復作業では、押し花のように保存された植物標本を水につけ、汚れを丁寧に取り除いていきます。 泥などで汚れた植物標本は、東日本大震災で被災した岩手県の陸前高田市立博物館に収められていたものです。 標本の修復は、岩手県立博物館を通じて依頼があったもので、約300枚をきれいにする作業が進められています。 岩手県陸前高田市の市立博物館は、東北地方で最も古い公立の博物館ですが、押し寄せた津波で建物は破壊され、学芸員や職員も犠牲になりました。 また、ほとんどの収蔵品が津波に流されたり、海水につかったりして、壊滅的な状況となっています。 被災地のために何か役立つことがしたい―。 修復作業を行っているのは、倉敷市立自然史博物館の狩山俊悟学芸員と、ボランティアの人たちです。 預かった標本の中には、100年以上前に採取された貴重なものもあり、慎重な作業が続きます。 汚れを取り除いた標本は、殺菌のため、60度に設定した乾燥機で48時間乾かされます。 再び、陸前高田市で展示されるようにと、ひとつひとつの作業に復興への思いがこめられています。 修復作業は来週中にも完了する予定で、倉敷市立自然史博物館では、きれいになった標本を期間限定で展示できればと話しています。
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