大学の学費が世界で2番目に高い韓国(下)

学費1000万ウォン時代

 韓国大学教育協議会によると、ソウル市内にある34校の四年制私立大学のうち、20校の年間授業料は平均800万ウォン(約60万円)を上回った。医学部がある場合は、1人当たりの授業料平均は900万ウォン(約67万円)近くなる。授業料の額は、2002年に政府が国公立大学独自の判断に任せたことをきっかけに急激に上昇した。01年の時点で上昇率が4.9%だったのが、02年から08年には毎年7.4%から10.3%も値上がりした。

 同様に、私立大学も毎年5.1%から6.9%ずつ学費が引き上げられた。政府が大学の自主性に任せて導入した制度だったが、結果的に学費の急激な上昇を招いてしまった。06年から10年までの物価上昇率は16%だったが、国公立大学の授業料は32%、私立大学は25.3%上昇した。

 学資金融資を2回受け、その返済のためアルバイトに励む京畿道抱川市のキムさん(23)は「学費の負担と返済に追われ、勉強するために大学に入ったのか、借金を返すために入ったのか分からない」と語る。

 このように多くの大学生が借金をしながら学費を支払っているにもかかわらず、先進各国に比べ、それほど高いレベルの教育を受けているわけでもない。韓国の私立大学では、1年間に学生1人当たりの教育費に占める学費の割合は95%で、日本の48%や英国の30%に比べ、2倍から3倍以上に達する。

 淑明女子大学のソン・ギチャン教授は「大学の財源のうち、学生が支払う授業料の割合は非常に高い。このような状況は)、現在のいびつな財務構造が変わらない限り続くとみられる。そのため、授業料を半額免除する制度について結論を見いだすのも容易ではないはずだ」と述べた。

卓相勲(タク・サンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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