東北地方沿岸部を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災から11日で3カ月。いまだに8千人以上が行方不明で、収容遺体のうち約2千人の身元が判明していない。震災の不明者は簡略化した手続きで法律上、死亡認定できるようになったが、家族にとっては「身内の死」を認めることにもなり、苦しい決断を迫られている。
警察庁によると、9日現在の死者数は12都道県で1万5401人。このうち被害の大きい3県では宮城9210人、岩手4532人、福島1594人。
一時、1万7千人を超えた行方不明者数は9日現在、6県で8146人。うち宮城4954人、岩手2811人、福島377人で、時間の経過とともに微減傾向にある。
自衛隊は9日、岩手、宮城両県の一部を除いて、不明者捜索をほぼ終了させたと明らかにした。ただ、警察は今後も活動を続けるとしている。
宮城、岩手、福島の3県で検視が終わった1万5330人の遺体のうち、身元が確認されていないのは2021人。各県警は遺体の特徴や所持品などを公開するほか、家族のDNAをデータベース化する作業も進めているが、鑑定数が膨大で、身元特定は難航している。
法務省は震災3カ月を前に、不明者の死亡届の簡略化を市町村に通知した。死亡認定されれば、預貯金の相続などが円滑になり、生命保険の保険金などの受け取りも可能となる。
(2011年6月 9日)
東日本大震災への菅直人首相の対応について、全国の半数を超える25都府県の知事が評価していないことが29日、共同通信社のアンケートで分かった。福島第1原発事故への対応は6割超の30都府県が評価しないと回答、首相への批判が強まっている。今後の原発の在り方では、11府県が新設や増設の凍結、縮小を求めており、国のエネルギー政策の見直し論議に影響を与えそうだ。
厳しい状況にもかかわらず懸命に生きる被災者の姿を伝える。