米上院重鎮のダニエル・イノウエ歳出委員長(民主)とサッド・コクラン副委員長(共和)が、旧米海軍スービック基地の地元・フィリピンのオロンガポ市をひそかに訪ね市幹部らと意見交換していたとフィリピンの大手英字紙インクワイアラー(電子版)が4月28日付で報じた。
同紙は会合に出席した関係者の話として、両氏はフィリピンがより多くの米軍を受け入れる可能性に興味を示したという。これを受け「東日本大震災によるグアム移転計画の遅れのため、同基地跡に米軍が戻る可能性が増している」と、一部がグアムでなくフィリピンに移転するとの観測を伝えた。事実とすれば、在沖米海兵隊のグアム移転にも影響を与えそうだ。
同紙によると、両氏はマニラ滞在中の26日にメディアには非公開で米政府機を使ってスービックに入り、港湾施設や居住地域などを視察。意見交換では、震災に加え日本の政治状況の不安定さもグアム移転遅れの要因だと述べたという。一方、別の地元幹部は同紙に、グアムの代替地としてスービックの可能性を語るのは「私の職分を超えている」として否定した。