政府は、福島第一原子力発電所の事故に伴い、東京電力の賠償金の支払いを支援するのに必要な法案を、来週にも国会に提出する方針を固めました。
政府は、福島第一原発の事故で、電力の安定供給を維持しながら、東京電力に数兆円と言われる賠償金を確実に支払わせるため、公的資金を投入した支援を行う方針です。これに向けて、政府は、支援の大枠を先月決定してから、法案作りを進めてきた結果、来週にも閣議決定し、国会に提出する方針を固めました。法案は、東京電力の賠償金の支払いを支援する新たな組織・機構を設け、機構には、原発を運転する全国の電力会社が資金を拠出するほか、政府も交付国債と呼ばれる特別な国債を交付するなど、公的資金の投入などが主な柱となります。機構は、こうした資金を基に、東京電力に対する資本増強などを実施し、賠償や設備投資に必要な資金を援助します。一方、事故に伴う損害の総額が確定していないため、政府が機構に投入する公的資金の具体的な金額などは法案には盛り込まれないものとみられます。この法案を巡っては、株価の下落が続く東京電力の経営にも影響を与えることから、今の国会に提出されるかどうか注目されていました。ただ、今回の支援の枠組みは電気料金の値上げなどにつながる可能性もあり、国会での審議は難航することが予想されています。