2011年4月15日 23時9分
佐賀県は15日、県央部の民間医療機関で超多剤耐性結核菌(XDR)の集団感染があったと発表した。06年9月以降、50代男性から20~40代の男女計9人に感染が広がった。厚生労働省によると、主要な結核治療薬のほとんどが効かないXDRの集団感染は全国で初めて。
県によると50代男性は06年9月、結核治療を受けていた県立病院(佐賀市)を退院。県央の民間医療機関に通院し治療を続けたが症状悪化で07年6月に再入院しXDRに感染していると診断された。
県がこの医療機関の職員や患者など延べ460人を検診し9人の感染が分かった。院内感染が8人、家族間感染が1人で、50代男性を含め5人が発症したが全員快方に向かっている。
XDRは症状や感染力は通常の結核菌と同様だが、薬剤の選択が不適切だったり服薬を途中でやめたりすると出現する恐れがある。有識者による県の検討会は、県立病院の服薬指導などが不十分だった可能性を指摘している。【姜弘修】