2011年4月14日 21時53分 更新:4月14日 23時57分
東京電力福島第1原発1~3号機から外部に放出された放射性物質は炉内に元々あった量の2%程度との分析を、経済産業省原子力安全・保安院が14日、公表した。今後さらに精査し、事故原因の解明や対策に役立てる。
圧力容器内で沈着する放射性物質や蒸気の放出(ベント)、格納容器からの漏れなどを考慮して実施した。
その結果、東日本大震災で原子炉が停止する前にはヨウ素131が610万テラ(1テラは1兆)ベクレル、セシウム137が71万テラベクレルそれぞれ炉内にあったと算出。このうち放出されたヨウ素131は2%の13万テラベクレル、セシウム137は0.9%の6100テラベクレルだった。保安院は「原子炉格納容器の一部が壊れた2号機からの放出が最も多いのではないか」としている。
また保安院は同日、3号機の圧力容器のふたと本体の接合部付近の温度が、12日には170度だったが、14日には254度に上昇したと発表した。計器故障の可能性もあるが、西山英彦審議官は「監視が必要」としている。
このほか、保安院は余震などで炉内や使用済み核燃料プールへの注水が中断しないよう、予備タンクなどを整備する方針を示した。【関東晋慈、足立旬子】