東日本大震災:余震相次ぎ「避難所からの避難」が課題に

2011年4月14日 19時9分 更新:4月14日 21時59分

通路に置かれた灯油ストーブ。日中は使われないことが多い=岩手県宮古市のグリーンピア三陸みやこで、関雄輔撮影
通路に置かれた灯油ストーブ。日中は使われないことが多い=岩手県宮古市のグリーンピア三陸みやこで、関雄輔撮影

 東日本大震災の余震が相次ぐ中、被災者から「避難所からの避難」を懸念する声が上がっている。非常口周辺に物が置かれ避難の妨げになりかねない施設も目立つ。4月でも夜の冷え込みの厳しい東北の被災地とあって、通路に置かれた灯油ストーブをつけっぱなしにしていることがあり、火災を心配する人も。専門家からは「避難所のルール作りを進める必要がある」との指摘が出ている。

 津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市田老地区。市の保養施設「グリーンピア三陸みやこ」に約450人が身を寄せている。約4000平方メートルのホールに可燃物の毛布や衣服が積まれ、その近くで夜には十数台の灯油ストーブがつけっぱなしだ。非常口は7カ所あるが、周辺に物が置かれていることもあった。

 市の担当者は「夜は0度近くまで気温が下がり、ストーブを消すことはできない。非常口は常時カギをかけず、夜間も一部の照明はつけたままにしている」と説明する。

 避難している元宮古地区広域行政組合消防本部次長の金澤純二さん(63)は「逃げ道の確保と周知が不足している。人が住むことを想定していない施設のため、消火器を増やすなどの対応もした方がいい」と指摘する。

 福島県からの避難者が多い山形県米沢市の市営体育館では3月26日夕、電気コード1本が焼けるぼや騒ぎがあった。消火器で消し止められたが、当時館内にいた数十人が屋外に避難。市災害対策本部は「避難経路の確認や設備点検を徹底することが必要だと分かった」と振り返る。

 財団法人「市民防災研究所」(東京都)の池上三喜子理事は「今回はこれまでにないほど避難生活が長期化する可能性があり、避難所のルール作りや安全確認を進める必要がある」と話している。【関雄輔】

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