11秒62アジア記録も「当確」
トップ選手の練習など研究「世界で入賞」目指す
100メートルM50で11秒62の日本新記録をマークし、小学生から握手を求められる森下孝一さん(左)=5日午後、大野市の奥越ふれあい公園陸上競技場で
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大野市篠座の奥越ふれあい公園陸上競技場で五日に開かれた県民スポーツ祭の陸上競技マスターズの部で、福井市日之出四丁目の森下孝一さん(50)が、100メートル男子五十−五十四歳の部(M50)で、11秒62の日本マスターズ新記録をマーク。関係者は「アジアマスターズ記録の公認もほぼ間違いない」と、快挙に沸き上がっている。
低い姿勢で飛び出した森下さんが速いピッチでコースを駆け抜けると、会場からはどよめきが上がった。「アジア記録に近づければいいと思っていたが、まさか出るとは」。本人も「びっくり」の走りで従来の日本記録(11秒68)を更新した。
福井マスターズ陸上競技連盟によると、アジア記録は手動計時の11秒6で、「申請すれば(電気掲示の記録として)公認されるだろう」としている。県勢がアジアマスターズ記録を樹立するのは初めて。森下さんは、60メートル(M50)でも7秒32をマークし、従来の日本マスターズ記録を0秒04上回った。
森下さんは、昨年十一月にマレーシアで開かれたアジアマスターズ陸上で、100メートル(M50)と200メートル(M50)の二冠を達成し、アジア記録の更新を目標に冬場のトレーニングを積んできた。
ウサイン・ボルト(ジャマイカ)らトップランナーのフォームや練習法をDVDで研究。下り坂を走ってスピード感を養い、筋力を付けるために重りを引っ張りながら上り坂を駆け上がった。短距離選手に必要な上腕や体幹の筋力アップにも努めてきた。
中学時代などは格闘技に打ち込み、二十四歳の時に市民体育大会で優勝したのを機に陸上を始めた。三十五歳からマスターズ大会に出場するようになり、四十八歳で日本ランキング1位に。「次は世界マスターズで入賞」と目標はさらに上がった。(正津聡)
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