東日本大震災の被災者のために韓国で集められた義援金の一部が3日、在日韓国人被災者に手渡された。今回慰労金を受け取ったのは、仙台領事館などで被災が確認され、連絡がついた22人。被害の状況に応じて30万円から100万円が支払われた。領事館では現在も各地の民団地方本部を通じて被害申告を受け付けている。
慰労金を手渡した権哲賢駐日韓国大使は「韓国が困難なとき、在日同胞はお金を送って助けてくれた。今は同胞が困っているとき。韓国で募金を集め、少しでも助けになりたかった。少額だが、有効に使ってほしい」と話した。
慰労金もらい… 被災者の声
避難所頼れず
陳愛子さん(福島)
自宅は原発の警戒区域内。今は郡山市内にアパートを借りています。ペットを連れているため避難所に入れず、水や食料を分けてもらえませんでした。細かな出費が多いです。今まで100万円以上使ったのでは。
精神的につらい。今回慰労金をいただきましたが、一から生活を立て直すにはお金が足りません。朝起きて、長い悪夢だったということになっていればいいと、何度も思いました。早く家に帰りたい。
戻りたいのに…
朱広宣さん(福島)
自宅と、経営するパチンコ店7つのうち3つが警戒区域内にあります。2人の子どもは東京の妻の実家に移しました。私は仙台に住んでいます。
避難するときに、近所の人は「戻れると思わないほうがいい」と言っていました。それでも自宅や店に戻って持ち出したいものがあります。自治体に申請していますが、まだ戻れるめどは立っていません。墓参りもできません。
現金は嬉しい
張賢淑さん(福島)
私は浪江町のアパートに住んでいましたから、ほかの方よりは身軽に動けます。それでもしばらくは車中で寝泊りしていました。今は会社(南相馬市のゴルフ場)の寮にいますが、通勤に片道1時間かかります。
仮設住宅に入りたいのですが、高齢者と子どもがいる家庭が優先です。家を借りても6万円までは補助金が出ますし、今回いただいたお金も非常に助かります。
職場にもお客さんが戻ってきているのが嬉しい知らせです。
夫亡くして
宋銀姫さん(宮城県)
3年半前に韓国から嫁いできました。エンジニアだった夫は、仕事中に津波で亡くなりました。5月15日から仮設住宅に入っていますが、周囲に知り合いはおらず、ストレスがたまります。
夫の実家との関係もよくありません。夫が生きていたときはかばってくれたのですが、今は孤独です。
避難所では買いものにも車を使わねばならず、出費はかさみます。2カ月前から申請しているのに日本政府からの見舞金が届かない中、韓国から慰労金をいただけて感激しました。
当面の生活費に
兪美羅さん(宮城県)
気仙沼に住んでおり、店舗兼住宅は津波で流されてしまいました。幸いなことに家族は無事でしたが。
今は夫の実家に住んでいます。私のところも夫の両親と折り合いが悪いのですが、引っ越して店を再開しようにも借りる場所がありません。街は壊れて人がいないのですから、客商売は難しいのです。
いただいた慰労金は当面の生活費に使うつもりです。今後は被災者支援の情報を得るためにも、民団や在日同胞との連絡を密に取りたいと思います。 |