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原子力損賠紛争審:避難の精神的損害額 3段階に見直し

 福島第1、第2原発事故に伴う損害賠償の範囲を決める文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(会長、能見善久学習院大教授)は9日、これまで4段階に分けて算定するとしていた避難生活の精神的損害額を、3段階に見直す方針を固めた。また、精神的損害の賠償金は、年齢に関係なく、同一額を個人に対して支払うことで意見がまとまった。

 政府の指示で避難生活を送る住民については、5月31日に公表した2次指針で、精神的苦痛が大きいと考えられる順に(1)避難所・体育館・公民館等(2)仮設住宅・知人宅等(3)ホテル・旅館等(4)屋内退避--の4段階に分け、金額に差を付ける方針を示していた。

 見直しでは、仮設住宅・知人宅・ホテル・旅館等に避難した人を基準として1人当たりの支払額を決める。避難所や体育館等に暮らす人は、プライバシーの確保などの点で特に過酷な生活をしていると認められることから一定額を加算。逆に、屋内退避をした人々は、基準よりも低い額となる。

 また同日、委員の山下俊一長崎大教授の辞任が報告された。山下教授は福島県の職に就くことが決まり、中立的な立場を取ることが難しくなるためという。【藤野基文、西川拓】

毎日新聞 2011年6月9日 20時35分

 

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