2010/11/5 金曜日

「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のつくりかた 6

category: ポケモン

こんにちは、Web担当のにょろリカです。
「ポケットモンスターブラック・ホワイトのつくりかた」第6回は
プランナー・松島の「ポケモンの設定にまつわる話」を中心にお送りします!
—–
こんにちは、プランナーの松島です。
「ポケットモンスターブラック・ホワイト」ではポケモンの設定と
ネーミング、ポケモン図鑑、それから、伝説のポケモンに関する
イベントを担当しました。

―「伝説のポケモンに関するイベント」とは、どういったものでしょうか?

例えば、リバティチケットを手に入れてビクティニに出会うくだりなど、
プレイヤーと伝説のポケモンとの出会いに関わるシナリオです。

―ポケモンの設定はいつから担当していますか?

初めて設定を担当したポケモンはセレビィですが、1本のソフトに
本格的に関わるようになったのは、
「ポケットモンスター ルビー・サファイア」からです。
それ以前は、「BUSHI青龍伝?二人の勇者?」や、
「ポケットモンスター 金・銀」のカントーのシナリオを書いていました。

―ポケモンのキャラクターデザインは、グラフィックデザイナー
 全員から様々なデザインが提出されますが、それをもらってから
 設定を考えるのでしょうか?

そうです。設定は基本的に後付です。
とはいえ、グラフィックデザイナーは基本的な設定を考えた上で
デザインしているので、それを聞き出してまとめて、最終的に
杉森と話し合って決めています。
ポケモン図鑑のテキストは、僕が一人で担当しています。

―今回は100種類以上のポケモンが新しく登場したので、名前を
 考えるだけで気が遠くなりそうですね。
 ポケモンの名前や設定はどうやって考えていますか?
 一日中考えているのでしょうか?

さっき言った“デザイナーが考えた基本的なキャラクター設定”から
見えてくるキーワードをピックアップして、さらにそれを詳しく
調べた上で、あれこれ考えていますね、一日中。毎日毎日。

―ポケモン図鑑を書く上で気をつけていることなどありますか?

今回は100種類以上のポケモンが登場しますが、全体のバランスを
取るように心がけています。
生き物としてリアリティのあるポケモン…たとえば“こんな
生活をしている”とか、“こんな行動をする”というのがはっきりと
しているポケモン。それから伝説系とかの特殊なポケモンは
設定もファンタジーっぽくしてみたり。
あとは、なるべくバカバカしい設定も入れておきたいとか(笑)。

―バカバカしい設定は、ポケモン図鑑を読む楽しみのひとつです。

ダルマッカのフンが熱くて、カイロになるとか?

―そういうのはどうして思いつくんですか…(笑)。
 私だったら、仮にフンが温かかったとしても、カイロにしようとは
 思いません!

そうですか?
ダルマッカは熱いから、フンも熱いんだろうな。そうしたら、昔の人は
「ああ、これは重宝だ」って懐に入れたりもしたんじゃないかな?
って妄想して。
熱いから滅菌もされているだろうし、ポケモンは木の実しか食べないから
匂いもしないだろうし。

そもそも、ポケモン図鑑は「ポケットモンスター 赤・緑」で原型が
でき上がっているんです。基本的には、僕はそこに則っている。
先ほどの「気をつけている」ってところに補足すると、ポケモンって
アニメの設定の方が広く知られていると思いますが、実はポッポは
ビードルなどのむしポケモンを食べたりするんですよ、図鑑では。
そういう「捕食をする」などといった、ポケモンの生死に関わる部分は
アニメでは出していないんです。
だから、僕は敢えて、図鑑には捕食についてなどの記述を必ず
入れるようにしています。
ポケモンは人畜無害で可愛いだけの存在じゃないんだと。ちゃんと
「生き物としてのリアリティ」を持たせるようにしています。

―確かに、ポケモン図鑑にはたまにドキっとさせられます。
 パラセクトの解説とか、今作だとヒトモシとか。
 松島さんが今後やってみたいことはありますか?

「ただ時間を消費するだけのゲーム」ではなく、プレイした人に
とって何かしら実りあるゲームをつくりたいです。
ポケモンは「人とのコミュニケーション」とか、ポケモンという
架空の生き物を通じて現実世界の動物たちとの関わり方や生命観
なんかを美しい形でゲーム化していると思うんですよね。
そういう、何かしら「ユーザーのためになる部分」を、ポケモン
以外のゲームでも実現できたら良いなーと考えています。

―私も、ゲームをやっていて気がつくと何時間も経っていたなんて
 珍しくないです。この時間が、自分のプラスになるゲームなら大歓迎です!
 では、最後にスタッフボイス読者のみなさんへ
 メッセージをお願いします。

イッシュ図鑑を完成させて、僕の妄想がつまった図鑑を見てください(笑)。

以上、松島でした。

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