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'11/6/7

最後の老舗 広島宝塚閉館へ



 広島市中区新天地の映画館「広島宝塚1・2・3」が8月31日に閉館することが6日、分かった。戦後間もない60年前の開館以来、総入場客1600万人に達した映画館が幕を下ろす。中区八丁堀付近の映画館は昨年11月にオープンした「八丁座」などがあるが、最後の老舗が姿を消す。

 映画館が入る「広島宝塚会館」の老朽化で、建て替えに伴い閉館。鳥山義博支配人(47)は「シネコンの出現で客足は落ちていた。寂しい限りだが、ファンには心から感謝している」と名残惜しそうに話す。

 広島宝塚は3スクリーンをもつ。1951年に「新天地劇場」として開館。95年に新天地の別のビルと合わせ「広島宝塚4」として4スクリーンまで拡大したが、97年以降の広島市近郊へのシネコン進出の影響を受け、2004年に「4」を閉じ、3スクリーンに減らしていた。

 最盛期は、過去最多の20万人を動員した97年のアニメ映画「もののけ姫」で、長い行列ができた。ここ数年の客数は当時の平常時の半数程度に落ち込んでいたという。

 広島市では八丁堀付近の老舗映画館がこの10年で軒並み閉館。広島朝日会館が03年に閉館した後、跡に移転してきた広島スカラ座も09年に姿を消した。松竹東洋座・広島名画座、広島東映・広島ルーブルも閉館に追い込まれた。

【写真説明】「広島宝塚1・2・3」の窓口。広島市中区八丁堀付近の最後の老舗映画館が姿を消す




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