韓国軍:主力戦車K1A1ピンチ、全てリコールも

機械研「変速機に重大欠陥」、防衛事業庁・監査院に既に通報

 知識経済部(省に相当)傘下の韓国機械研究院はこのほど、韓国軍の主力戦車であるK1A1=写真=の変速機(トランスミッション)に重大な欠陥があるとの結論を出し、これを防衛事業庁と監査院に通報していたことが8日までに分かった。国防部はこれまで「変速機に問題があることが明らかになれば、全てをリコール(回収・修理)する」という条件で戦車を配備し続けてきたため、現在使用されている約450台のK1A1全てが回収となる事態もあり得るとみられている。

 軍消息筋は同日「韓国機械研究院は、検査の過程でK1A1戦車が走行中に左右に移動すると、突然戦車に衝撃が起きるという問題がたびたびあることに気付いた。同研究院は、この問題の原因が戦車の変速機の操向装置にあると結論付けた」と述べた。戦車が左右に動くとき、マニュアル車のギアを間違って入れたときのような強い衝撃が発生し、変速機の寿命が短くなり、戦車の故障も増えるとの結論に至ったというわけだ。

 K1A1の変速機は、戦車の走行距離が9600キロに達するまでは故障がほとんどないことが分かった。しかし、軍消息筋は「韓国機械研究院が検査したところ、K1A1の『変速衝撃』により変速機の保証寿命は4000キロにすぎないという結果が出たと聞いている」と話す。

 しかし、防衛事業庁と製造メーカーの現代ロテムは「同研究院のこうした検査結果は信頼しがたい」との見解を示している。防衛事業庁の関係者は「変速機などで複数の問題が発見されているが、野戦整備などで解決できる程度のもので、変速機を全てリコールする必要はない」と話す。防衛事業庁は、昨年監査院の指摘を受け、韓国機械研究院にK1A1の変速機の欠陥検査を依頼した。このとき、検査費用は戦車の変速機を製造した現代ロテムと現代ダイモスが負担することになったと伝えられ、議論を醸した。

チョ・ベッコン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る