【ローマ藤原章生】イタリア憲法裁は7日、「原発再開法」の是非を問う12、13日の国民投票の質問について判事13人全員が「容認できる」と判断、国民投票の実施が確定した。多くの国民が原発に反対しており、有権者の過半数参加の条件を満たせば、欧州初の国民投票による「脱原発」姿勢を打ち出す可能性が高まる。
国民投票は最高裁が今月1日に容認しており、憲法裁はそれを後押しした形だ。
08年以来、原発再開を目指してきたベルルスコーニ政権は福島原発事故を受け、「国民の感情論を避けるため」原発建設を無期限凍結する法案を議会に通した。
このため「すでに凍結しているものを国民投票にかける意味はない」と与党側が憲法裁に判断を仰いでいた。
国民投票の質問は、野党議員などの提案と署名で今年1月に決まり、原発のほか水事業の民営化や首相ら要職者の出廷免責など計4問。原発については「原子力に関する『新制度』の廃止を求めますか」という問いで、新制度とは通称「原発再開法」を指している。
毎日新聞 2011年6月9日 東京朝刊