7日午前1時50分ごろ、高知市小石木町の市営住宅「大原南改良住宅」(鉄筋3階建て)から出火、2階に住む無職、高橋誠さん(46)方約30平方メートルを全焼した。焼け跡から高橋さんの遺体が見つかり、高知県警高知南署は同日、同居している高橋さんの妻智美容疑者(36)を殺人の疑いで逮捕した。
容疑は、台所で布団を敷いて寝ていた誠さんにガソリンのようなものをかけ、マッチで火を放って殺害したとされる。ガソリンのようなにおいがしたため、同署が不審に思って智美容疑者から詳しく事情を聴いたところ、「私がやった」と殺害を認めたという。
智美容疑者は誠さんと長男(8)、次男(1)の4人暮らし。次男が逃げる際に顔や手足にやけどをし、智美容疑者も煙を吸って軽症。長男は無事だった。
同署によると、家族は3年ほど前に移り住んできたといい、生活保護を受給していた。今年3月、智美容疑者から同署に「夫から殴る蹴るの暴力を受けている」とドメスティックバイオレンス(DV)の電話相談があったという。「夫を殺して2人の子どもと暮らしたかった」と供述しているという。
現場はJR高知駅南西約1.5キロにある丘陵地の閑静な住宅街。【倉沢仁志、黄在龍】
毎日新聞 2011年6月8日 2時53分