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【芸能・社会】

「雨ニモマケズ」被災地行脚 アグネス・チャン

2011年6月9日 紙面から

ぬいぐるみをもらってうれしそうにする幼稚園児と話すアグネス・チャン(4月30日、陸前高田市の下作幼稚園で)

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 日本ユニセフ協会大使として東日本大震災の被災地を巡回したアグネス・チャン(55)が、緊急レコーディングした「雨ニモマケズ」が、いまだ避難生活を強いられている人々をはじめ多くの被災者の間で、癒やしと励ましの歌として広がりをみせている。アグネスは10日、NHK「歌うコンシェルジェ」(午前10時5分)の中で、初めてテレビで生歌を披露する予定だ。

 「いい歌ね」「元気が出ます」「涙が出ます」といった声や中には涙を流しながら抱きついてくる人も。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」で始まる宮沢賢治の不朽の名作は、地道に強く生きてきた東北の人たちの心そのままに、今の被災者の心情に重なるようだ。被災者たちのじかの反応に、アグネスは改めて人々の心の傷の深さを知った。

 被災地に入ったのは、4月12日。宮城県石巻市立釜小学校、湊中学校を回り、翌日から牡鹿半島、女川町、気仙沼市、南三陸町、山元町を回った。その後も、岩手県内の各地を回り被害の実情を視察、被災者を励ましてきた。

 アグネスが歌う「雨ニモマケズ」は、賢治の詩に香港のミュージシャン〓智偉が曲をつけたオリジナル作品。ジャッキー・チェンが主催して4月1日に香港で行われた「愛は国境を越える311・チャリティー・コンサート」のために作られた。会場でも反響があったことなどから、アグネスが帰国後、レコーディング。すぐにCDに複製して被災地のコミュニティーFMなどに送ったところ、賢治の出身地、岩手県内だけでなく広く聴かれるようになった。

 宮古市災害エフエムに出演した際、「皆さん本当に大変でしたね」と声をかけると、DJの人たちが思わず涙。「アグネスの歌を聴いて育ちました」と言われ、「草原の輝き」を口ずさむとまた涙…という場面もあったという。アグネスは被災地を巡回した際の写真をフィーチャーした「雨ニモマケズ」の映像作品も制作。7日、ユー・チューブにアップした。

 「毎日、被災地に思いをはせている」というアグネス。「日本、そして世界中の人々が東北の人々のことを応援している。その思いを共有しながら聴いていただければ幸いです」と話している。

 ◆雨ニモマケズ 岩手県花巻市(現在)出身の教師、詩人、童話作家の宮沢賢治の没後に発見された遺作のメモで、今は一編の詩として広く知られる。4月11日にワシントンのナショナル大聖堂で行われた東日本大震災の犠牲者の追悼式でも英語で朗読された。これまでザ・フォーク・クルセダーズ、宇佐元恭一らが楽曲化している。

※〓は、登におおざと

 

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