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【サッカー】

<城福の目>2つの陣形を同時に求める弊害感じたチェコ戦

2011年6月9日 紙面から

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 「4−2−3−1」と「3−4−3」の2つのシステムを追い求めるリスクを感じた。同時にこの2つのシステムを習熟させていくのは、世界でも珍しい。クラブチームでも、少ないと思う。否定するわけではないが、今の日本代表は極めて異例なことに取り組んでいる。

 気になった場面が何度かあった。例えば、右サイドで内田がボールを持ったとき。本田がサポートに行き、ペナルティーエリア内にFW李とFW岡崎の2枚しかいないことが多かった。本来なら、左サイドの長友が入ってくるはず。しかし、入って来なかった。時間と場所もあったのだが。逆も然りだった。これでは、攻撃に迫力が出ない。

 これは、約束事なんだろう。片方のサイドハーフが敵陣深くに入ったとき、逆サイドは中に絞る。考えさせられて動いていて、自然に動けていない。ゴール前に行けるなら行く。その穴は誰かが埋める。状況、状況で臨機応変にバランスを取る。自由な発想があっての「3−4−3」のバランスがあっても良い。

 しかし、2つのシステムを同時並行で試しているため、システムを変えたからバランスを崩したと思われたくないという心理が働く。選手にブレーキがかかってしまっているのが垣間見える。「4−2−3−1」の方が、自然に動けている。通常のチーム作りなら、人を入れ替え「4−2−3−1」の攻撃型、守備型を試す。例えば、長谷部に代えてより攻撃的な家長を投入するとか。ボランチにCBタイプを置くとか。そうした方が、選手はもっと伸び伸びやったと思う。

 「4−2−3−1」だけでも試すことは、たくさんある。どん底のペルー戦と比べて「3−4−3」が良くなったと評価するのは危険だ。根本的に違う2つのシステムを同時に追うリスク、弊害を強く感じた。ただ、本田らがシステムを原因にするのではなく、自らの技術の幅を広げる必要性を説いたのは明るい材料だった。 (城福浩・前FC東京監督)

 

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