8日午後5時ごろ、福岡県大川市本木室の市道交差点で、「数発の発砲音がして、2台の車が走り去った」と、目撃者から交番に通報があった。県警は数時間後、同市内で弾痕がある車を見つけた。車は指定暴力団九州誠道会の組員所有で、筑後署は同会と指定暴力団道仁会との抗争事件が相次いでいることから、今回の発砲も関連する可能性があるとみて捜査している。県内の発砲事件は今年に入り9件目。
同署によると、市道は片側1車線で、交差点で信号停車中の車3台を追い越すように対向車線にはみ出した車に、追尾してきた別の車が発砲したとみられる。2台はいずれも同県柳川市方面から同県久留米市方面に北上してきたといい、発砲音がした後、それぞれ、東西の方向に猛スピードで走り去ったという。
組員所有の車は現場から西へ数キロ離れた大川市内の民家の駐車場に乗り捨ててあり、弾痕は数カ所あった。走り去ったもう1台はシルバーの乗用車で、同署によると、信号停車中に目撃した男性は「交差点付近で後続車の後部座席の窓から男の腕が出ているのが見え、直後にパンパンパンと乾いた音が聞こえ、煙が上がった」と話したという。
現場近くで目撃した別の男性は「2台の車がぶつかり合いながら走ってきて、並んだと思ったら、発砲音が4回した」と話した。
現場は、大川市の中心市街地から北東へ約2キロの郊外にある住宅街。
=2011/06/09付 西日本新聞朝刊=