バスケ青春の詩

平成21年12月4日 金曜日
　

「守の大成」

私は、現在〜
航空自衛官として…

「航空自衛隊幹部学校」
というところに勤務しています。

その名称のとおり〜
航空自衛隊の幹部自衛官が…幹部、
すなわち〜
各級レベルに応じた、
指揮官や幕僚に必要な事柄を学ぶところです。

いわゆる、
「空軍大学」です。
つまり、
大袈裟ではありますが〜

航空自衛隊の最高学府といってもよいと思います。

私は、ここの研究部に所属し、
日本の航空防衛に関する研究をしています。

さて〜
先日の日記…
「12月と合掌」に書いた、退官された上司とは、ここの研究部長です。

そして、同じ日付で〜
新しい研究部長が着任されました。

その新部長が〜
着任の訓辞で話されたのが…
「守の大成」です。

新部長は、剣道五段です。
剣道では…
その段位と経験及び審査による称号があります。

五段と六段を「錬士」
七段を「教士」
そして…

剣道の最高段位にある剣道八段を〜
「範士」と呼びます。

部長は、年齢条件から
「錬士」ではありません。

その部長が…
剣道八段の「範士」の方に問われたそうです。

「最高段位の八段とは何ですか？」と〜

その方の応えが…

「守の大成〜です。」
と言われたそうです。

これに、なぞって、
航空自衛隊の最高学府たる幹部学校も、
「守の大成」であることを自覚し、
肝銘されたいとの話しでした。


さて〜
ここに言う…
「守」とは、
「守・破・離」の
「守」を言います。

「守・破・離」とは…
物事を学び始めてから、
独り立ちするまでの過程をあらわす武道の言葉です。

「守」とは〜
基本、基礎の形を忠実に身につけていくこと。

「破」とは〜
指導者から教えられた基本の形を土台にして、
自分独自の形を形成していくこと。

「離」とは〜
指導者の教えを無意識のうちに吸収し、
自己意識と一体となり、これを土台として、
新たな自分の形を創造していくこと。


つまり、
「守の大成」とは〜
「離」の上にあって、

「守・破・離」のすべてを包含する
最上位の意識と態勢なのでしょう。

それは、すべからく〜
基本、基礎となる事柄が根っ子にがっちりとあることだと思います。

これは剣道にかかわらず〜

世の中のすべての事の…
熟練たる最上位を究める上で大切な教えであると思います。