みんながずっと笑っていられる選択をしたい
── 今回イベントのテーマでもありますが、今回起こってしまった地震で一番の問題は原発ですよね。
染谷:阪神大震災で被災された方が、地震だけだったら復興に向けて一歩ずつ進みやすいとおっしゃっていたんです。でも、原発は止まっても何百年単位で背負って行かなければいけない。自分たちも原発の被害者と言えばそうですけど、リスクがあることは知っていたけど原発を受け入れたのも大人である僕たちだと思っています。そこは加害者であることを忘れてはいけないし、世界中に放射能をまき散らしてしまったことは胸に刻んで、次の選択をしていかなければいけない。これから歴史の授業で教えるような大きな出来事が僕たちの世代で起きてしまい、ここで変わらなかったらもう後はないと思っていますし。その時に、1人1人考え方は違っても良くて、原発を推進する人もいるし、いらないという人もいる。でも、電気を使わないから原発はいらないか、電気を使いたいから原発が必要という二者択一じゃなくて、優さんの言う、こうしたら電気を普通に使いながら原発に頼らずいけるよっていうのをみんなが知った上で選択できれば、もっと世の中が変わっていく気がします。
── こうして環境問題を考える上で、世の中がどう変わって欲しいとかあります?
染谷:僕たちは環境活動が主軸ではないので、偉そうに何かを言える立場でもないですけど、これから先、自分の子供とか孫とか、もっと先の子供たちが笑っていられる世界になって欲しいと思っています。野外フェスって、空に音が広がって気持ち良くて、そこにいるみんなが笑っていますけど、65年前の戦争の時には考えられないことなんですよね。でも、戦争が終わって先人が頑張ってくれたからこういう世の中にもなれて、100年後も1000年後も野外で音を鳴らした時にみんなが笑顔でいられる世界を遺すための選択を考えたいなと思います。みんながずっと笑っていられる選択をしたいし、それをメッセージにしていきたいです。
── そう考えると、ご自身のライブも、笑顔を届けるという意味でも大事な場所として考えていますか?
染谷:僕は音楽に助けられたし、震災の時はニュースを見続けていて気持ちが落ちてしまい、一度テレビを止めて好きなバンドの音楽をかけたらすごく勇気をもらえたんです。言葉だけでは伝えきれないものを音楽は心に届けてくれると思っていて、笑顔に溢れたり、時に涙を流したり、それを共感したいという気持ちはずっと変わってないんです。音楽で繋がりを生み出していきたい。下北沢SHELTERのイベントも、良い顔をしてみんな帰れるんじゃないかという気はしますね。このイベントで希望を届けられるように頑張ります。最高の1日にしたいです。