［業界プロジェクトＸ］音楽プロデューサージェフ・ミヤハラさん

　ＪＵＪＵ、Ｓｐｏｎｔａｎｉａ、西野カナ、ＪＡＳＭＩＮＥ…若者に人気のアーティストとのタッグで、次々とヒット曲を送り出している最も旬な音楽プロデューサーがジェフ・ミヤハラさん（３３）。昨年、日本レコード大賞で作曲賞を受賞したＪＵＪＵ　ｗｉｔｈ　ＪＡＹ’ＥＤの「明日がくるなら」も手がけた。

　ヒット連発には“秘密”がある。ジェフさんは、単に曲を提供するだけじゃなければ、プロデューサー＞歌手の上下関係も築かない。「アーティストと友人関係になること」を信条とするスタイルだ。

　自宅にある広さ８畳ほどのスタジオ。壁には明るい絵が飾られ、角には軟らかいソファ。どでかいレコーディング機器を除けば、まるで居間にいるような感覚。この空間で、アーティストと音楽のキャッチボールをしつつ曲を作っていく。「ジャム方式ですね。バンドではセッションが当たり前だけど、ポップスでは意外と少ない。一緒にやった方が人と人がぶつかるエネルギーがある」。スーツに例えて「既製品をいかに着こなしてもらうかより、生地選びから袖の長さまで一緒に考える、そんな楽曲作りが好きなんです」。

　ジェフさんの楽曲は若者の“等身大ソング”と受け入れられることが多い。また、作曲者名が歌手と連名になっていることも。ともに独自のスタイルと人柄があってこそだ。

　以前は、オーディションに出した楽曲が知らないうちに発売され、切なさを感じたことも多々あったという。０６年にＳｐｏｎｔａｎｉａとの出会いが転機となり“共作スタイル”を定着させた。

　父は日本人、母は韓国人。米ロサンゼルスで生まれ、大学時代を日本で過ごし、豪州、韓国でも生活経験がある。目指すはアジア、そして世界だ。すでに４か国語（英・日・韓・仏）が堪能だが「今、中国語を勉強してるんです。今後は中国を押さえないと世界には届かない。この仕事を死ぬまでやり続けたいですから」。視線は未来を見つめている。

　◆Ｊｅｆｆ　Ｍｉｙａｈａｒａ（ジェフ・ミヤハラ）１９７７年２月４日、米ロサンゼルス生まれ。３３歳。高校まで米国で育ち、上智大に入学。中退後、韓国などに渡り、９９年に再来日。本格的に音楽活動を始める。０２年には日韓Ｗ杯でのチャリティーＣＤ「翼をください」をプロデュース。日本だけでなくＢＯＹＺ　２　ＭＥＮなど海外アーティストの作品も手がけている。