仲居さん物語『僕の家庭教師さま』番外編

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このお話は先日、最終回を迎えた『枝垂れ桜と山桜』に出てきた旅館の仲居さん二人と
その旅館の女将たちの後日談をショートストーリーにしたものです。
元々、温泉シチュが読みたいとリクエストしてくれたのが、愛があればBLだって(FC2)/優海りずむ さま
 そして、出演協力がアレキサンドライト別館/ アリアケアド様でした。
ヤフーブロの4万ヒットと6万ヒットがこのお二人がニアピン踏まれてたんですよね。
FC2ではニアピンとかしてないな〜。
5万HITを踏まれたり、ニアピンだったら言ってくださいね。
まだ先ですけど。



「ぼくカテ番外編・仲居さん物語」

温泉旅館の朝は早い、だいたい老舗のこの旅館の客たちは朝日が昇るが早いか
早速一番風呂に浸かって、それから7時頃に朝食を食べ、また一風呂浴び、
一心地ついてからチェックアウトをする。

普通はそんな客のもてなしに各客室係=仲居は、朝5時くらいから朝食と
チェックアウトに向けて臨戦体制に入る。
そんな旅館で働くようになって早数年、こんなところで仲居なんて仕事をしていると
戸籍に×バツがついて一人で食べていくにも年が行き過ぎてとか、
借金に追われて致し方なくとか、とかく暗いメージに思われがちだが。

実は、この老舗旅館のできる仲居こと梨寿夢(りずむ)と、
ちょっとあわてんぼうだが、人のよさと面白い話術が人気の亜土(アド)は姉妹で、
二人ともにご近所では有名なセレブな奥様たちだった。

子育ても一段落して、かねてよりこの旅館の板長のファンだった二人は、
以前から茶飲み友達だったここの女将の鈴久(リンク)に頼み込んで、
自らパートを志願してこの旅館の仲居の座をゲットした。

板長は齢四十代後半だけれども、彼の醸し出す色香と、その美しく長い綺麗な
指先から作られる料理は和洋を問わず絶品で、この不況の生き残りをかけた
旅館業界の厳しい情勢の中でも、赤字を出さずにお客が来てくれるのは一重に
この板長のお陰だと二人は常々思っていた。

しかし、板長は最近、新人板さんの若い男の子とどうも怪しい関係らしく、
隠してはいるがみんなから暗黙の了解で温かく見守られていた。
それに辞められたりしたら旅館のピンチである、
逆に居心地がいいようにとか気を回して板長には社員寮ではなく、
借り上げの素敵なマンションをあてがい、最近はそこに見習いとして
板長の身の回りの世話をしろと、その若い板さんも同居させた女将鈴久だった。

少しやり過ぎの感もあったが、誰一人として彼らの存在を否定するものはおらず、
旅館は老舗ながらもアットホームな雰囲気と、スタッフの連携で順調に経営されていた。

そして、それにはやはり名物女将の存在、それも一理あった。
ここの旅館の女将の鈴久はやることが斬新で、嫁の分際ながら、
この老舗の旅館を格式こそ残しつつ、いろいろな企画を立てては旅行会社や、
ネット販売を駆使して営業にあたり、ホームページの作成から管理に至るまですべてを
テキパキとこなし、この旅館の売上は先代の倍以上となっていた。

メディアにも取り上げられることが多い離れの居室は人気が高く、
本館がパックで安く美味しい料理と老舗ならではの源泉かけ流しの温泉が売りでも、
この離れだけは値を下げることと、一切の妥協はせず、逆にそのステイタスに憧れて
泊りに来るという、ギャップ商法が功を奏し、連日ほぼ予約でうまっていた。

一泊一名二食付きで十万円、週末はさらに十五万円という値段に関わらず、
お忍びでくる、各国のセレブやら富豪、ハリウッドスターや日本の著名人たちは
後をたたなかった。

そして、板長に憧れて始めた仲居のパートもいつしか板についてきて、
週に二、三回しか働かない二人であったが、やることに卒のない梨寿夢と、
話術が本来売りの亜土はその離れの接客すら任されるようになっていったのである。

双子の妹の亜土は一応、セレブ御用達の離れだし必要以上に会話に参加をするのは、
きつく梨寿夢姉さんから止められていた。
しかし、亜土と会話をした客からは苦情どころか、帰り際に必ず
「あの仲居さん面白い方だったわ、また寄らせてもらうわね」と好評で、
リピーター獲得の影の立役者でもあった。

また梨寿夢の方も接客に関してはプロで、客の無理な注文も、
自分の情報アンテナを張り巡らせて応え、いつも顧客アンケートの
仲居の満足度の評価は大変満足に丸を付けられていた。

そんな二人はお客の前でこそ、そこで知り得た秘密はもちろん誰にも話さずに、
持ち帰っていたが、ひとたび、梨寿夢、亜土、鈴久がカラオケボックスに集まり、
日ごろの憂さ晴らしをする時は、まったく別人のように、赤裸々告白大会が幕を開けるのだった。
その会議の風景はまるで、『王様の耳はロバの耳』状態だった。
誰に聞かれることもない防音の個室で三人は日頃旅館の中では言い合えない、
心にたまったストレスや、おもしろいお客の情報をこれ見よがしに暴露し合うのだった・・・。

さて、先日離れに泊まりに来た、まだ社会人になりたてらしい二人の若者の話は、
ずっと、話したくて話したくて、うずうずしていた梨寿夢と亜土だったが、
鈴久の休みが合わず、なかなか先送りにされていて、
このたびようやく三人で集まることがかなった訳であった。

そんなある日のこと・・・。

三人はそれぞれおしゃれをして、小田原から新宿に出てさらに、池袋に遊びに
行った。
ここまでくれば知り合いに会うこともなく気兼ねなく馬鹿話しができるし、
かねてより行きたかった執事喫茶の予約もとれたし、
それまでカラオケボックスでランチがてら、赤裸々告白大会をする気漫々で、
嬉々として池袋のサンシャイン通りを闊歩していた。

カラオケボックスに入り先ずは飲み物を頼みすぐにスタッフが運んできて、
出ていくのを確認すると、梨寿夢が

「鈴久さん、こないだの離れに泊まったあの若い男の子二人、覚えてる?」

その時、鈴久の目もキラリと光った

「覚えてますともっ!どっちもイケメンで、若いくせに金払いがよくてね〜!
びっくり、あの眼鏡のこがなんかベンチャー企業の社長らしいのよね。
見て見て〜!
綺麗なチョーカーでしょ、シルバーアクセサリーだけどなんか
スタイリッシュなデザインのリングみたいのが付いててなかなかいいでしょ。
いただいちゃった〜。実は二人にも預かってるわよ、はい!」

「きゃ〜〜!うれしい、素敵ね〜」

亜土は、黒いボックスからシルバーアクセサリーを取り出して大喜び。

「待って!それ何かが変な形じゃない?」

「そうね〜、指輪にしちゃ太い輪よね、かといってブレスには細いし、
あ、でも調節できるのよ、きっとこれスカーフ止めじゃない?
だってぴったりだったわよHERMESのスカーフに〜!
こないだ女将会にしてったら褒められちゃった〜」

ウハウハ笑う鈴久だった。
一人何か他に使い道があるのではと、
梨寿夢はリングを手にしてじーっとその輪の大きさを覗いていたが、
何かを思いついたのか、突然大声をあげた!

「わかった〜!!!これ、指輪でも、スカーフ止めでもないわよ!」

『エ、じゃ、何なの?』

亜土と鈴久の声がかぶる

梨寿夢は親指と人差し指で輪を作って二人にみせた。
そしてその手を筒を持つような形に変える。
そこで二人にもピーンときた。

『まさか・・・』

「まさかじゃないわよ!たぶん。これアクセサリーだけど・・・、
旦那のあそこを縛る貞操帯みたいなもんよ!ギャハハハハ!
鈴久さんそんなものして女将会いったの〜〜信じられない〜きゃ〜〜」

バンバンバン!と梨寿夢は机を叩いて爆笑する。
亜土も右に同じだった。

一人ア然とする鈴久もだんだんおかしくなってきて、三人で大爆笑。

「あ、いや、でもそんなの気付くのたぶん梨寿夢姉さんだけだから、たぶん」

亜土が笑いすぎて涙を流しながらも普通の意見を言った。
確かに普通の奥さんならそんなものの違いなんてわかるはずもなかった。

「そうそう、それでね、その二人とにかく白くて細くて綺麗な子いたじゃない」

梨寿夢が本来の話しに持っていく、

「あ〜あの子は綺麗だった。何やっぱりあの二人は恋人同士だったの?
あの眼鏡の黒髪が綺麗な男の子も結構そそるものがあったわよね」

鈴久は笑い疲れて喉が渇いたのか目の前のビールをゴクゴクと美味しそうに
喉を鳴らしながら飲んだ。
つられて梨寿夢もビールを煽る、亜土は一人だけアップルタイザーなどと
洒落たものをちびちび飲んでいた。

「とにかくね色の白い子が美人でね、とは言っても男の子だけど!!!
でも、すっごくいい子だったの、
私の突っ込みにも真面目に受け止めてくれてね、花粉症だから花を見れなくてと、
あの枝垂桜を障子しめて見ないのよ。
かわいいのは、その前にあの山桜が枝垂桜を支えるように折れた話を先に振ったから
怖くなっちゃったんだと思うのよね〜」

「姉さん、その子に特別ですよって、わざわざ高いローションティッシュ自腹で
買って渡したのよ、信じられない〜〜〜!」

「ウフフ、まさか夜の営みにも優しく使ってねなんて言えないじゃないオホホホホ〜!
鈴久さんだからね、離れのティッシュは始めからローションティッシュにしたほうが
いいって!絶対に」

「そうね、一泊十万円も取ってるんだからそれくらいは罰が当たらないわよね、それ決定!」

営業会議も兼ねていた。

「それだけじゃないのよ!」

亜土が赤くなりながら続ける。

「あ、鈴久さん、このこ夕食の小鉢一回ひっくり返したのよ!」

梨寿夢ここで告げ口する

「きゃ〜〜ごめんなさい!
だって、あの子の生足綺麗でドキリとしちゃったのよ〜だからつい〜」

「あらら・・・」

それくらいいつもの事で、いちいち鈴久も目くじらはたてない

「それで、その白い子がどうしたの!?」

早く!早く!と続きをせまる鈴久
楽しみで普段は穏和な細い目が見開かれてランランとしていた。
梨寿夢と亜土は顔を見つめ合いせーので答える

「あの子のお股がツルツルだったの〜!」

『きゃ〜〜〜〜!!!』  

三人のけたたましい叫び声は、防音の壁を突き破り、廊下の外まで響いていた。

「なんで見たの〜?」

鈴久はまた笑いすぎて、腹は痛いは目からは涙がちょちょぎれるは、
せっかくしていたマスカラも落ちかけて黒く滲み始めていた。

「朝食が待てど暮らせど連絡来なくて、さすがに9時になるから電話したら。
たぶんやり過ぎで寝過ごしたのね、声もこころなしか掠れてて色っぽかったんだけどね〜」

梨寿夢はその時の事を思い出し、思わずよだれを垂らしそうになる。
亜土がつづける

「私たちが行くともう眼鏡の子はお風呂に行ってていなかったんだけど、
その白い子がいかにも換気してます的にその苦手な桜が見える窓全開にして、
縁側に浴衣を来てたたずんでたのよ、」

また梨寿夢にバトンタッチする

「そうしたらね、悪戯な春風っていうのぉ〜、
もとからあまりうまく浴衣が着れてなかったのよね、
風が吹いたら裾がバラッと全開になっちゃって、
見られてないと思って、逆にバタバタしないでそっと直してたけど、
お股が丸見えでね・・・。
あそこの毛を、たぶんあの眼鏡の子に剃られちゃったのよね、
ほら何度も剃ると肌も痛むけど最初は意外と綺麗じゃない、
すごくツルツルで綺麗だったのよね〜 二人で見入ちゃった〜!!!」

嬉しそうに語る姉妹を羨ましげに見つめる鈴久だった。

「あ〜、私もご挨拶に伺いたかった〜!
フロントで会ったけど必要以上に来ないでくれって、
なかば賄賂みたいにこのアクセサリーもいただいちゃったから行かなかったの〜!
あ〜グヤジイ〜〜!
そうか〜やっぱり恋人同士か〜」

そこで、梨寿夢がバン!と机を叩く 

「いや!違うらしいの!あの子の左の薬指に鈍く輝く清楚な結婚指輪が嵌まってたのよ!来た時なかったのに〜!」

「お姉さんほんとよく見てらっしゃるわ〜」

と感心する亜土。
何故かいつもメモを取っている。
笑いのつぼでもメモっているのだろうか?

「じゃ、うちの旅館でこっそり二人で結婚式と初夜でもしてたの〜〜〜!
かわいすぐる〜〜〜!」

三人の貴腐人たちは、三様にその日の事を思い出し、くねくねと悶えていた。

おばちゃんたち三人にとって悠も、雫も、本人達は必死で生きていようが、
かわいい、その程度の存在だった。
ああ、そうしてまた月日は流れ、この三人の赤裸々告白大会の日は、
いずれ遠くない未来に、開催されるのであろう。

(おしまい)







悠は、仲居さんは仕方ないとしても、老舗旅館にありがちな女将の挨拶は

あの3点セットのリングをわいろにして阻止していたんですね・・・。

恐ろしやーーー・・・でも、それに気づかず使う私って・・・

そして気付く、りずむ姐さん!!!さすがです。・・・


・・・という事で、これに『枝垂れ桜と山桜』もこの『仲居さん物語』をもって終了です。

明日からは・・・『僕等の距離』を移すか・・・それとも『僕カテの赤ちゃんの卵』を移すか・・・

それと更新は『春はあけぼの』もする予定です・・・

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2011-05-19(Thu)
 

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懐かしい 

出演させて頂いてありがとうございました。
りずむ姐さんとリンク女将との幻のカラオケボックス!!
行ったような気がするのが不思議です。
つるつるも見られて「役得」(ノ∇≦*)ポッ
2011-05-19 23:16 | アド | URL   [ 編集 ]

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2011-05-20 07:06 |  |    [ 編集 ]

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Author:Rink
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