菅首相の退陣確定によって菅首相の告発問題は一応、カタが付いたので、いよいよ当会もパチンコ禁止(廃止)運動へ本格参入することにします。まずは現状把握ということでパチンコの問題点についてまとめてみます。
1日のパチンコ裁判のところで書いたように、パチンコの問題点としては大別して射幸性と換金性があるのですが(リンクは
こちら)、まずは射幸性から始めます。以下では論文調にである体で書いてあります。
ア.射幸性に関する規定
法3条1項は,「風俗営業を営もうとする者は、・・・、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。」と定めている。
その際の許可基準は法4条4項が,「当該営業に係る営業所に設置される遊技機が著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める基準に該当するものであるときは、当該営業を許可しないことができる。」と定めている。
この「国家公安委員会規則」とは,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(以下「規則」という。)であり,その9条は,「法第4条第4項の国家公安委員会規則で定める基準は、次の表の上欄に掲げる遊技機の種類の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるとおりとする。
遊技機の種類 | 著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準 |
ぱちんこ遊技機 | 一 1分間に400円の遊技料金に相当する数を超える数の遊技球(遊技の用に供する玉をいう。以下この項及び次項において同じ。)を発射させることができる性能を有する遊技機であること。 二 1個の遊技球を入賞させることにより獲得することができる遊技球の数が15個を超えることがある性能を有する遊技機であること。 三 1時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の3倍を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有する遊技機であること。 四 10時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の2倍を超えることがあるか、又はその2分の1を下回ることがある性能を有する遊技機であること。 (中略) 十一 容易に不正な改造その他の変更が加えられるおそれのある遊技機であること。 |
」と定めている。
そしてこの規定を担保するために、法20条1、2項は、「第20条 第4条第4項に規定する営業を営む風俗営業者は、その営業所に、著しく客の射幸心をそそるおそれがあるものとして同項の国家公安委員会規則で定める基準に該当する遊技機を設置してその営業を営んではならない。 2 前項の風俗営業者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該営業所における遊技機につき同項に規定する基準に該当しない旨の公安委員会の認定を受けることができる。」と定め、遊技機の認定制度を設けている。
イ.上記規定による制限の内容
これによれば,貸玉単価を4円/個とすれば,1分間に発射させることができる最大の個数は,400÷4=100個である(1号)。
したがって,1時間で発射させることができる最大の個数は,100×60=6,000個になる。
そして1時間で獲得することができる最大の個数は,6,000×3=18,000個である(3号)。
通常,貸玉の交換単価は2.5円/個〜4円/個であるので,この獲得金額は,45,000円〜72,000円にもなる。
また同じ計算を10時間で行うなら,10時間で発射させることができる最大の個数は,100×60×10=60,000個になる。
そして10時間で獲得することができる最大の個数は,60,000×2=120,000個である(4号)。
したがってこの獲得金額は,300,000円〜480,000円にもなる。
これらの金額を見る限り,この規則の基準自体が「著しく客の射幸心をそそるおそれがあるもの・・・は、当該営業を許可しない」とする法4条4項の規定に違反していると言うべきである。
(その2へ続く)
- 2011/06/08(水) 12:47:21|
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