木刀生産日本一の宮崎県都城市の武道具木工所が、細めの芯に衝撃吸収材を巻き付け、丈夫な綿布で覆った「痛くない木刀」を開発した。学習指導要領改定に伴い、来年度から中学校の保健体育で剣道や柔道などの武道が必修になることから、全日本武道具協同組合(東京)が、事故防止のため安心して教材に使える木刀の研究を依頼していた。
この「スーパー木刀」を開発したのは同市の荒牧武道具木工所。厚生労働大臣表彰の「現代の名工」(2004年度)に認定された荒牧康雄社長(63)が約3年間研究した。芯はカシの木製で長さは通常と同じ1メートル1センチ、重さは200グラム軽い600グラム。通常より4-8割ほど衝撃を軽減できたという。
武道の授業では木刀での打ち合いは想定していないが、形の指導で生徒同士が相対することがあり、寸止めができない初心者の安全対策が課題となっていた。荒牧社長は「剣道の精神を安全に学んでもらえればうれしい」と話している。
価格は3千円程度を想定。問い合わせは同木工所=0986(22)2875。
=2011/06/08付 西日本新聞朝刊=