県は7日、県立加古川医療センターで3月10日、胃潰瘍の男性(73)を胃がんと誤診して胃の摘出手術をしたことを明らかにした。男性に後遺症などはないという。
県病院局によると、事前の病理組織検査で標本を作る際、胃がんの男性(80)から切り取った組織を、誤って胃潰瘍の男性の患者番号が書かれたスライドガラスに載せてしまった。その結果、胃潰瘍の男性を胃がんと誤診し、手術で胃の3分の2を摘出したという。本来、この男性は摘出の必要はなかった。
検査技師が組織とスライドガラスの番号を確認していなかったのが原因。摘出した胃からがん細胞が見つからなかったため、間違いが発覚した。検査は技師3人で行い、同センターでは1日に約200件の標本を作成しているという。同センターは再発防止策として、複数人での番号確認を徹底することにしている。【米山淳】
〔神戸版〕
毎日新聞 2011年6月8日 地方版