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【社会】

保安院の独立、政府が報告書に明記 福島1〜3号機「溶融貫通」

2011年6月8日 01時10分

 福島第1原発の事故で、政府は7日、国際原子力機関(IAEA)に提出する報告書をまとめた。原発の規制当局である経済産業省原子力安全・保安院を、推進する立場の経産省から独立させる方針を明記した。1〜3号機では、燃料が損傷した圧力容器から流れ落ち、格納容器の底に堆積する「メルトスルー(溶融貫通)」が起きた可能性も公式文書で初めて認めた。

 報告書は約750ページで、前半で事故の経過や福島第1原発の現状を説明。後半では事故の教訓を踏まえ、今後必要な安全対策28項目を挙げた。20日からウィーンで開かれるIAEAの閣僚級会合に提出する。

 今回の事故では、保安院や原子力安全委員会、文部科学省など関係機関が分かれているために責任が不明確になり、「力を結集して俊敏に対応する上で問題があった」と認識。保安院を独立させた後、原発の規制や環境モニタリングの実施体制を総合的に見直す。

 事故原因では、「地震による大きな損壊は確認されていない」とした上で、その後の津波で電源喪失し原子炉冷却機能が停止した影響を強調。1〜3号機の炉心の現状は「圧力容器の底部が損傷し、溶融した燃料の一部が格納容器に落下し堆積している可能性も考えられる」とした。

 放射線被ばくの状況では、作業員の内部被ばくの測定が遅れているため、内部を含めた被ばく線量が事故で緊急に設定された上限値250ミリシーベルトを超える作業員が、一定数出ると見込んだ。

 【メルトスルー(溶融貫通)】炉心が損傷し、燃料の形状が維持されず溶け落ちると、原子炉圧力容器の底にたまる(メルトダウン)。この溶け落ちた燃料の固まりが、圧力容器の底や、さらに外側の格納容器の底を溶かして突き破ってしまう最悪の状態。

(中日新聞)

 

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