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「PSN」が狙われたのは、ゲーム機改造コミュニティと敵対したから?ソニー・コンピューターエンタテイメント(SCE)のゲーム機向けネットワーク サービス「PlayStation Network(PSN)」は、大規模なサイバー攻撃を受けてサービス停止に追い込まれ、復旧するまで1か月かかった。SCE がこうした被害を受けた原因を、米国 Veracode のセキュリティ研究者、Chris 't0ph' Lytle 氏が説明してくれた。攻撃の発端は、何か月も前にあるという。
「プレイステーション3(PS3)」には、改造コミュニティというものが存在する。SCE が本来意図していないものを PS3 の上で動かそうと、ハッキングに取り組むコミュニティだ。こうした活動の一つに、オリジナルと異なる OS、特に Linux を動かしてやろう、というグループがある。実は、当初 PS3 では純正ファームウェアの仮想化 Hypervisor 上で Linux を動かすことができたのだ。ところが SCE はこれを禁じてしまい、改造コミュニティとのイタチごっこが繰り広げられることとなった。 こうしたなか、ハッキング コミュニティ「geohot」の George Hotz 氏が2011年1月2日、PS3 のルート署名鍵を発見した。この鍵を使うと、PS3 上でソフトウェアを動かすのに必要な電子署名を施すことができるという。これを受け SCE 側は1月11日、geohot に対する訴訟に踏み切った。しかし、この法的な対応でも改造コミュニティの勢いを止められなかった。その後、PS3 上で任意のソフトウェアを動かすためのコードがリリースされ、同じ日に SCE 側は従業員を205人程解雇した。 そして geohot に対する訴訟の報復として攻撃が実行され、PSN は4月20日にサービスを停止した。 Lytle 氏は、今回の PSN に対する攻撃はゲーム業界のセキュリティに関する警鐘だとしている。例えば、米国 Microsoft のゲーム機向けオンライン サービス「Xbox Live」も、PSN と同じく標的になる可能性があるという。ただし、Microsoft は魅力的な獲物であるものの、改造にオープンな姿勢を示しており、この点が SCE などと違うそうだ。 関連記事
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