走れ!走れ!走るんだ!!3連敗で借金が11に膨らんだ阪神は7日、甲子園で救援投手を除く、野手全員参加の練習を行った。シーズン中の移動日としては超異例ともいえるハードなランニングメニューを消化。城島、鳥谷らは追加で自主的にポール間走もこなすなど、低迷脱却へ虎戦士たちが走りまくった。練習後には8日からのロッテ戦に向け、千葉へ移動した。
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金本、桧山、城島‐。指名練習を免除されてもおかしくない面々が、甲子園のグラウンドに集結した。そして課されたメニューは通常の打撃、守備練習だけでなく、緑の芝生を全力疾走。若手だけでなくブラゼル、マートンの外国人も含めた全員が猛ダッシュを繰り返した。
伊藤トレーニングコーチは「メニューです。それでもみんなよく走ってたね。こういうときは汗をかかないとね」と目を細めた。野手全員に、約60メートルのダッシュが課された。
さらに城島、鳥谷、上本らは与えられたメニューだけでなく、ポール間ダッシュを繰り返した。本数にして約10本。約120メートルの距離を走り終えるごとに、激しく肩で息をする様子が見て取れた。キャンプや球宴期間中の練習では見られる光景だが、調整を優先するシーズン中の移動日では極めて異例。選手たちは最後の1本を走り終えると、大粒の汗を流し、両腕をヒザにつきながらクタクタになっていた。
鳥谷は下半身に刺激を与えるためかと報道陣に問われ「いや、そうじゃなくて打撃練習まで時間があったので…」と多くを語らなかった。一方で打撃練習を行わず、徹底的に走り込んだ城島は「いっぱいバットを振るのも練習だけど、振らないのも練習。僕は手術明けなので走れるときに走らないといけない。“原点”です」と言う。
ここまで打率・189と低迷する司令塔は、不調の際は特打を行わないスタイルを貫いている。昨年から「打撃も下半身主導だから、不調のときはバットを振らずに走り込むことが大事」と語っており、下半身をいじめ抜くことでスランプからの脱出を図ってきた。
野球界には昔から“不調のときはとにかく走れ”という言い伝えがある。ピッチングもバッティングも、大きな力を生み出すのは下半身。ランニングメニューでいじめ抜くことで、数々の選手が不振を脱却してきた事例があるからこそ、格言は今も生きている。
現在、猛虎打線は30イニング連続でタイムリーが出ていない。ロッテの先発は前回対戦で打ちあぐねた左腕の吉見、成瀬が有力だ。それでも打つしかない。甲子園で流した大量の汗は、両左腕を撃破したときに初めて報われる。
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