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【経済】

異種の移植で高級真珠養殖 愛媛大、世界初の技術

2011年6月6日 10時51分

 アコヤガイに細胞片を移植してできた黒真珠(手前)とマベ真珠

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 アコヤガイに別の貝の細胞片を移植し、一般的なアコヤ真珠より単価の高い黒真珠や球状のマベ真珠を養殖することに、愛媛大学南予水産研究センター(愛媛県愛南町)が成功した。同センターによると世界初の技術。

 三浦猛教授(48)は「応用すれば新種の真珠をつくることも可能。価格低迷が続く真珠養殖に活路を見いだすことができる」と話している。

 三浦教授によると、タヒチが主生産地のクロチョウガイからできる黒真珠は、アコヤ真珠の3倍ほどの値段がする。一方、カンボジアなどに生息するマベガイは、通常は半球の真珠しかつくれず、アコヤガイへの移植でできた球状のマベ真珠は希少価値が高いという。

 アコヤガイは、中に真珠の中心となる核と真珠層を分泌する細胞片を入れると、真珠層が核を球状に包んで真珠ができる。

 別種の細胞片を入れると免疫機能が働き拒絶反応を起こすが、事前に細胞を加工した液体を注射して反応を抑えることで、異種間で真珠を形成させることに成功した。

 愛媛県によると、県は養殖真珠の生産額が全国1位。県水産課は「クロチョウもマベも、ここ数年の温暖化で県南部の海でも自然増殖し始めた。海水温の上昇に対応した養殖技術の開発に活用できる」と期待を寄せる。

(共同)
 

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