名古屋グランパスのDF田中マルクス闘莉王(30)が7日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、“一石二鳥”のFW練習に取り組んだ。リーグ序盤はチームの低迷もあり、持ち味の1つである攻撃参加はほとんどなかったが、リーグ再開に向け、シュート感覚に磨きをかけた。FWケネディ不在で行われた練習で、FW闘莉王は、クロスボールの練習台としても効果的だった。
もう守っているだけでは、済まされない。闘莉王がリーグ序盤は使わなかったキバを磨いて、反撃の準備を整えた。
「オレも、そろそろゴールを決めないとね。だいぶ感覚が戻ってきたよ」
午前の練習で、DFグループには入らず、2日続けて攻撃陣に加わり、シュート練習。小川や三都主のクロスボールに合わせて、豪快なヘッドを繰り出した。
J1初優勝した昨年は、闘莉王が何度も劇的なゴールやアシストを決め、それだけで勝ち点10以上を上積みした。今季は8試合を終えて2勝3分け2敗で11位に低迷。まだ無得点の闘莉王は「守備に追われて、上がっていく余裕がない」と、こぼすこともあった。
序盤戦だけに、強引に点を取りにいく場面もなかったが「この先、どうしても落とせない試合も出てくるだろうから、いろんな準備をしとかないといけない」と、なりふり構わない姿勢を打ち出した。
サイド攻撃を武器にするグランパスも、クロスボールの質を高める練習に、闘莉王の参加はうってつけだった。オーストラリア代表に参加中のFWケネディがいないと、空中戦は一気にスケールダウンする。2番目に強い永井も五輪代表合宿で不在。闘莉王は、クロスボールを上げる選手たちの格好の標的になった。闘莉王の破壊力満点のゴールまでスムーズな攻撃の流れに、ストイコビッチ監督は「ナイス」を連発。ふっくらした腹を揺すって、ご機嫌だった。
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