わずか１分！パチンコ店で消火器噴射し両替機を強奪

　神奈川県座間市のパチンコ店で５日、わずか１分間で１００万円入りの両替機を持ち去る強盗事件が発生した。２人組の男は、入り口付近でいきなり自前の消火器を噴射して視界を遮ると、アッという間に両替機を奪って車で逃走。あまりにスピーディーな犯行に、店内にいた従業員や客の多くが気付かなかったという。県警座間署は、３月に県内で発生した連続パチンコ店強盗事件と同一の犯行グループとみて、行方を追っている。

　犯行時間は、わずか１分。煙幕代わりの消火器に威嚇用の催涙ガス。まるでドラマの犯行シーンのような強盗事件が、座間市のパチンコ店で発生した。

　県警座間署によると、５日午後１０時頃、市内最大規模の７７７席を誇るパチンコ店「デルーサ・ザ・マックス」の正面入り口の前に、黒塗りのワゴンが横付けされた。車から降りた２人組の男は、迷わず店内に押し入ると、持参した消火器をいきなり噴射した。

　付近のパチンコ台に向かっていた客らは、突然の出来事に後ずさり。周囲は白く煙り、視界が遮られた。すると、２人組は出入り口付近のフロアに置かれた現金約１００万円入りの両替機（高さ約１４０センチ、縦横約３０センチ、重さ２０キログラム）を倒し、引きずるようにして店外に出た。近くには２〜３人の店員がいたが、２人組が去り際に催涙スプレーを振りまいたため、動けず。２人組は、運転手役がエンジンを止めずに待っていた車に乗り込み、逃走した。当時、店内には約１００人の客と約２０人の従業員がいたが、あまりにスピーディーな犯行手口に加えて、７００席を超える広い店ということもあり、事件に気付いた人はごくわずかだった。

　防犯カメラに残された映像などによると、２人は２０歳程度で、身長１７０〜１７５センチの中肉タイプ。いずれも黒の上下姿で野球帽をかぶっていた。覆面はしていなかったが、消火器の白煙に隠され、犯行時間も短かったため、誰も素顔を確認できなかった。

　同店の営業時間は午後１１時まで。日曜日の閉店間際という最も両替金がたまる時間帯を狙っての犯行とみられる。

　神奈川県内では、今年３月にも横浜市港区と横須賀市のパチンコ店で、両替機が奪われる事件が発生。座間署は、同一犯とみて犯人グループの行方を追っている。