2011年4月11日 22時1分
町の一部が計画的避難区域に指定された福島県川俣町。国から具体的な地区名は伝えられず、同町の担当者は「『町の一部』とだけ言われても対応しようがない。早く指示を出してほしい」と困惑する。
ただし同町は、これまでのモニタリング調査で市街地と比べて高い放射線量が検出されている南東部の山木屋地区が該当すると想定。指定された場合、同区域に住む約1200人の受け入れ先は町の中心市街地などに設ける方針だ。
だが、それ以外のエリアも指定された場合は対応が難しくなる。「避難者数が増えれば町外に避難せざるを得ない。避難を指示するなら国が避難先を確保してほしい」と担当者は言う。
山木屋地区の農業、遠藤利生さん(59)は11日、知人から避難指示が出そうだと聞き、町内の別の場所に親戚と一緒に一軒家を借りた。
「水が汚染されたら飲めなくなるし農作物も育てられない。このまま放射性物質が蓄積すれば町に住めなくなるかもしれない」と不安を漏らす。
町立山木屋中(生徒25人)の斎藤栄吉校長は、町教委から報告はまだ受けていないとしつつ「避難するなら生徒がばらばらにならないよう学校ごとにまとまりたい。できるだけ子供にストレスを与えないような配慮がほしい」と話した。【古関俊樹、神保圭作】