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イラク駐留の米爆発処理班の危険な任務に迫り、第82回アカデミー賞で作品賞ほか6部門に輝いた『ハート・ロッカー』。同作の製作会社ボルテージ・ピクチャーズがこのほど、前代未聞の大規模訴訟に踏み切った。
「torrentfreak.com」によると、ボルテージ・ピクチャーズは『ハート・ロッカー』の違法ダウンロードを行なったとして、ファイル共用ソフトBitTorrentのユーザー2万4583人(IPアドレス)を著作権侵害で訴えている。
この中には、昨年に違法ダウンロードで訴えられた5000人も含まれており、同社は当時、「この数(5000人)はまだ序の口だ」と話していた。
この2万4583人という数は、つい最近スタローン主演のアクション大作『エクスペンダブルズ』の違法ダウンロードで訴えられた2万3000人を超えており、BitTorrent関連では最多となる。
ボルテージ・ピクチャーズは今回の訴訟で、違法ダウンロードによる経済的損失を求めている。2万4583人のうち、仮に1万人の“被告”からそれぞれ2000ドル(約16万円)の損害賠償金を得られたとすると、1万人×2000ドル=2000万ドル(約16億円)となり、興行収入を軽く超える計算だ。
2万4583人全員から損害賠償が支払われる可能性はかなり低いが、この訴訟が映画界や音楽界、そして違法ダウンロード者に与える影響は決して小さくはないだろう。(2011年6月7日)