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ゲーセン憩う高齢者 店側もサービスゲームセンターで、夫婦連れで遊んだり、客同士で会話を楽しんだりする高齢者の姿が増えている。他のレジャー施設などより、比較的安く、長時間遊べることが理由のようで、若者が集まるイメージの強かったゲームセンターは、今や高齢者の新たな「居場所」になっている。ゲームセンターは少子化や家庭用ゲーム機の普及などで激減しており、各店舗は高齢者を意識した新サービスを相次いで打ち出している。 気軽に丸一日大阪市北区の「ナムコランド梅田店」。高齢者に人気のメダルゲームコーナーには、スロットや競馬、メダルを投入してメダルの山を崩すゲームなどが並ぶ。大量のメダルを獲得した大阪府大東市の主婦、米田芳子さん(65)は、「やったね」と隣にいた夫(69)と顔を見合わせ、喜んだ。 「遊び方は簡単だし、当たると気分がいいのでついやりたくなる」と米田さん。地元には、約3000枚のメダルを預けているゲームセンターもあり、ほぼ毎日足を運ぶ。「パチンコだと30分で1万円を使ってしまうこともあるけど、ここだと5000円もあれば一日中楽しめる」と話す。 常連という大阪市北区の女性(81)は「ゲームは手先を使うし、集中するので頭の体操にもなる。近所の人と話していても、うわさ話ばかり。ここの方が楽しく過ごせる」。同店には毎日10〜20人の高齢者が訪れ、ゲーム談議や世間話に夢中になる常連客もいるという。 客の半分も松山市の「タイトーステーション衣山店」では毎日十数人の高齢者が午前中から訪れ、平日の昼間には客の半分を占める日もある。高齢者のゲームセンター人気に、地域的な偏りはなさそうだ。 ゲーム機メーカーでつくる「日本アミューズメントマシン工業協会」(東京)によると、ゲームセンターは1999年度に3万8672軒あったが、09年度には1万9213軒に減少。それだけに各店舗は、高齢者を顧客として取り込みたい考えだ。 全国で約200店舗を展開する「セガ」は、1年前から一部の店舗で60歳以上にメダルの貸出枚数を上乗せして優遇している。「タイトー」は今年から、全国18の店内に畳張りのベンチを設置、無料で茶を提供するサービスを始めた。広報担当者は「ベンチに座ってお弁当を食べる人もいる。これまで昼間の時間帯はお客さんが少なかっただけに、ありがたい」と話す。 (2011年5月30日 読売新聞)
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