原発事故による被ばくを理由に献血を断られたとして、福島県の男性の家族が東京の血液センターに抗議していたことが分かり、日本赤十字社は「誤解を生じるような説明で申し訳ない」としたうえで、福島県から避難した人たちの献血を断らないよう全国の血液センターに改めて指示しました。
日本赤十字社によりますと、福島県いわき市の男性が東京都内で献血しようとしたところ、原発事故による被ばくを理由に断られたとして、先月27日、男性の妻から東京の血液センターに電話で抗議がありました。問診を担当した医師が「放射線で遺伝子が傷がついているかもしれない」と発言して献血を断ったという内容だったため、調査した結果、医師は「本人の負担を考え、実施を見送った」と話したということです。東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、日本赤十字社は、被ばく線量が通算で100ミリシーベルトを超える作業員については、本人の健康への影響を考慮し、半年間は献血を受け付けないとしていますが、一般の人たちの献血は通常どおり受け付けています。日本赤十字社血液事業本部では「被ばくしたかもしれないという話だったので、本人の健康への配慮が過剰に働いたのかもしれない。誤解を生じるような説明で申し訳ない」と話しています。そのうえで、福島県から避難した人たちの献血を断らないよう全国の血液センターに改めて指示しました。