一方、菅首相や原子力安全委員長の班目春樹氏、原子力安全・保安院の寺坂信昭氏、そして東京電力は、事故対応の初動の不手際を巡り、延々と責任の擦り付け合いをしている。
だが原発事故は「進行中」だ。3つの原子炉が同時にメルトダウンして、いまだ空気中や大地、そして海へと莫大な量の放射性物質が垂れ流されており、それを止める術も見出せない。
なのに、彼らの中では危機から国民の命を守ることより、保身をかけた罵り合いが最優先なのだ。まさしく「棄民国家」である。
前出・小出氏は、参院の委員会での証言の最後に、ガンジーが言い遺した「社会的な罪」に言及した。
「理念なき政治」
「人格なき学識」
「道徳なき商業」
「人間性なき科学」
すべて、政府・東電、そして原子力ムラの関係者に当てはまる言葉だ。しかし、国民の命を守ることを放棄してしまった彼らに、そんな真っ当な意見は届きそうにない。自分の身は自分で守る。国民にはそれしか選択肢はない。
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