経済の死角

隠されていた決定的ミス 東電はベントの方法を間違った!

MIT(マサチューセッツ工科大学)と
アレバ社が指摘

2011年06月03日(金) フライデー
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自宅前で記者に班目春樹氏は「(爆発直後に)燃料は溶けているだろうけど、全量溶けているとは思ってなかった」と語った(5月22日)〔PHOTO〕片野茂樹

「班目原子力安全委員長vs.政府の醜いバトル」「1・2・3号機ともにメルトダウンしていた事実」・・・国民の安全より情報隠蔽と責任逃れを優先した〝罪の数々〟---だが、まだ終わりではなかった。

「時間はちゃんとは覚えていませんが、その日(3月12日)の夕方6時過ぎくらいだったと思います。(福島第一原子力発電所1号機で)水素爆発があった後、当時は水素爆発だとおぼろげに認識していたくらいですが、私から『海水注入を是非してくれ』と言い出したのは確かです。

『海水注入をするに当たって問題点は何か。爆発みたいなことも起こっているようだから最悪の場合も考えて検討してくれ』というので、塩を入れると流れが悪くなるとか言いました。その中で総理から『再臨界の可能性はあるのか』と聞かれ、私は『再臨界の可能性はもちろんゼロではないです』と答えたのは確かです。実はそれだけの話なんです」

菅首相(右)と枝野官房長官。国会では「言った、言わない」の追及ばかり、虚しく繰り返される(5月23日)〔PHOTO〕鬼怒川 毅

 5月22日午後7時過ぎ、東京・文京区の自宅にタクシーで帰宅した原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長(63)は、テンションが高かった。この日の朝、細野豪志首相補佐官(39)は『新報道2001』(フジテレビ系)に出演し、1号機への海水注入が3月12日午後7時25分~8時20分までの約55分間、中断された原因をめぐって、班目氏が菅直人首相(64)に「海水を注入した場合、再臨界の危険性がある」と助言した記憶があると発言していた。

 同日、枝野幸男官房長官(46)も同じく、班目氏の助言があった旨、発言をしている。

「細野補佐官に訂正を受け入れてもらった」と意気揚々と語った班目氏のご主張は、要は「言った、言わない」の話にケリがついたということだ。それより、その後に彼が続けた「持論」のほうに、本誌記者は驚きを隠せなかった。

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