UPDATE1：2011年度の基礎的財政収支黒字化目標、しっかり守る＝大田経済財政担当相

　［東京　２１日　ロイター］　大田弘子経済財政担当相は２１日、閣僚懇談会後の会見で、公明党の北側一雄幹事長が２０１１年度の基礎的財政収支黒字化目標の先送りを提案したことについて、政府としては閣議決定した目標に沿って最大限努力していくとし、目標年次の見直しの余地を否定した。

　北側幹事長発言について大田担当相は「２０１１年度に黒字化することは骨太の方針２００６と２００７で閣議決定した。政府としては、目標に沿って最大限努力する」と指摘。見直しの余地はないかとの質問には「骨太方針はいわば内閣のマニフェスト。これをしっかり守っていく」と繰り返した。

　さらに大田担当相は「２０１１年度にプライマリーバランスを均衡化させるという歳出歳入一体改革には２つの大きな意味がある。これは短期の景気変動を吸収しながら中期で目標を達成していく計画であり、足元の景気をみながらしっかり中期としての目標を守っていくことが大事だ。もう１点。歳出と歳入をセットで議論することが大事だ。骨太２００６で書かれたプログラムを超えて何らか社会保障を見直していくのであれば、負担とセットで議論することが大事だ。この点で軸が振れないようにしたい」と説明。

　２０１１年度までの５年間の歳出改革を決めた骨太方針２００６を超えた新たな歳出要望にも、まずは他の歳出カットでメリハリをつけ、「それでもどうしても必要なら、負担とセットで国民に選択を問うという形でなければならない」と語った。

　一方、経済財政諮問会議の民間議員でもある御手洗冨士夫日本経団連会長が基礎年金を全額税方式とする考えを提案したことについては「民間議員として諮問会議の席上で発言されたものではない。あくまでも経団連の見解であると理解している」とし、諮問会議の考えではないことを強調。

　全額税方式にすることに関しては「議論そのものは排除する必要はまったくない」としながらも、「これを実際、諮問会議の場でどういうタイミングでどういう角度で取り上げるのか、あるいは取り上げないのかは、新しい総理、新しい大臣、新しい民間議員のもとで検討願うことだ」と述べるにとどめた。

　日銀が１８、１９日の決定会合で現行の金融政策維持を決定したことについては、金融政策は日銀の専管事項でコメントを控えるとした上で、「経済・物価情勢をつぶさに点検し、日銀が判断したもの」と述べた。一方、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が０．５％の利下げに踏み切ったことについては「サブプライム問題は米実体経済に明確に影響してはいない。その中で予防的に、柔軟かつ機動的に対応した」と評価した。