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中国の“占拠行為”で比が懸念

6月1日 18時52分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

フィリピン政府は、中国と領有権を巡って争っている南シナ海の南沙諸島で、先月、中国の艦船が浅瀬付近に建築物の材料を持ち込んでいたと発表し、浅瀬を占拠しようとする行為だとして、中国政府に深刻な懸念を伝えました。

フィリピン政府の発表によりますと、南沙諸島のエイミー・ダグラス礁という浅瀬の近くで、先月21日から24日にかけて、中国の監視船や海軍の艦船が建築物の材料を運び込んだほか、海底に柱を立てたり標識を設置したりしていたのをフィリピン軍が確認したということで、現場海域で活動する中国の監視船だとする写真を公表しました。フィリピン政府は、この海域について、自国の排他的経済水域内だと主張しており、中国政府に対し、浅瀬を占拠しようとする行動であり、こうした行動を自制するとしたASEAN=東南アジア諸国連合と中国との合意に明白に違反するとして、深刻な懸念を伝えました。また、1日に記者会見したフィリピンのガスミン国防相は「南沙諸島での監視体制を強化するとともに、国際会議の場でこの問題を提起していく」と述べ、日本やASEAN諸国、それにアメリカや中国などが参加して3日からシンガポールで開かれる、アジア・太平洋地域の安全保障について話し合う国際会議で、この問題を取り上げる考えを示しました。