北朝鮮軍総参謀部、韓国国防相の処刑を要求

金総書記父子の写真を射撃訓練の的に使用した問題で報復を宣言

 北朝鮮軍は3日、韓国の金寛鎮(キム・グァンジン)国防部(省に相当)長官の処刑を要求するとともに「全面的な軍事的報復」を宣言した。韓国軍の予備役将兵訓練場で最近、故・金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正恩(キム・ジョンウン)氏の写真が射撃訓練の的として使用されたことを問題視したものだ。

 朝鮮人民軍総参謀部の報道官は、この日発表した声明文で、3人の写真が射撃訓練の的に使用されたことについて「永久に容認できない狂気」「とてつもない挑発行為」「大逆罪」「倫理や道徳を知らないならず者」と激しく非難し、韓国政府に対し金寛鎮長官の処刑や正式な謝罪と再発防止の約束を求めた。

 報道官はさらに「今、この時間から、朝鮮人民軍の陸・海・空軍および労農赤衛軍の各部隊は、反逆者連中を一撃でこらしめるための実戦的かつ全面的な軍事的報復行動に出る。同族対決に狂奔する反逆者・李明博(イ・ミョンバク)とは対話する必要はなく、ただ銃を取って決着を付けるべきだというのが、われわれの最終的な結論だ」と語った。

 これに対し、統一部の関係者は「北朝鮮が再び『交流を絶つ』という言葉を持ち出し、射撃訓練の問題に対し強く反発している。韓国側と『これ以上付き合えない』と主張した国防委員会報道官の声明文(先月30日)や、南北間の秘密裏の接触について暴露した同委員会報道官の発言(今月1日)も、今回の問題と関係があるとみられる」と話した。

 北朝鮮の元幹部だった脱北者Aさんは「北朝鮮は、最高指導者を侮辱する行為については絶対に座視しない。国防委員会や総参謀部をはじめとする軍部が先頭に立ち、韓国に脅しをかけてきたことは、一種の『忠誠競争』だ」と語った。一方、韓国軍の関係者は「現在のところ、北朝鮮軍に特異な兆候は見られないが、軍は最近の北朝鮮による脅迫めいた発言に注意を払っている」と述べた。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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