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Zeel社長 尾関茂雄氏インタビュー
ネット起業家の草分け的存在である尾関氏。インターネットの世界へ飛び込んだのは「楽しそうだったから」と飄々と振り返るが、自らの生き方について真剣に悩み抜いた時代もあったという。インタビュー前編の今回は、学生時代の尾関氏から現在に至るまでの道筋を辿る。(聞き手は弊社社長 田中良和)
Zeel社長 尾関茂雄氏インタビュー
尾関 茂雄(おぜき しげお)氏 プロフィール

1974年生まれ。1999年にアクシブドットコム(現・株式会社ECナビ)を創業、2003年同社をサイバーエージェント社に売却。2004年にはZeel創業、ダイニングバー西麻布Birth開店など現在複数の事業を展開し、女優・山口もえと結婚したことでも有名。著書に『金の匙 銀の匙』など。早稲田大学大学院国際経営学修了。

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日本を代表するベンチャー企業の創業期に参加する

田中:

「キャリアを積んでいくこと」は、ハードに働くことばかりでもないと思うんです。もちろん一生懸命働くことは大切ですが、どちらかと言うと自然体に過ごしてきたように見える尾関さんにぜひお話を伺いたいと考えました。

尾関さんは、サイバーエージェントやネットエイジを初めとして、様々な起業家のところへ行って一緒に働く経験を沢山なさってますよね。でも普通は、そこに行くことすらしないと思うんですよ。そもそも、どうしてベンチャー企業へ行こうと思ったんでしょうか?

Zeel社長 尾関茂雄氏インタビュー
尾関:

マイクロソフトのインターンに応募したことがあって、残念ながら不合格だったのですが、その面接を担当していたお台場にあるベンチャー企業の社長が、「よかったら手伝いにおいでよ」と言ってくれて。

田中:

実は、僕もマイクロソフトのインターンを受けたんです。なので、僕もお台場へ面接に行きましたよ。でも、そもそもなんでマイクロソフトのインターンを受けたんですか。その頃、尾関さんは18歳頃ですよね。

尾関:

いや、20歳くらいでしたか。なにか楽しそうだったから。

田中:

今でこそインターンシップは一般的になってきましたが、当時20歳そこそこでインターンを「楽しそうだから受けてみよう」なんて思わなかったのが普通ですよね。日々学生生活を送ってたりするようなものだと思うんですが…。

尾関:

そうなんでしょうかね。でもその前に、高校のときから自分たちが開催していたイベントの協賛をつけてくれていた、表参道の会社の方に「よかったらうちの会社で好きな仕事とかやってみない?」と名刺をもらって。それから、そこがたまり場になったんですね。

そこがすごくいい加減な会社で(笑)、口座への入金分はすぐ抑えないと誰かに引き落とされちゃうとか、電話が鳴っても誰も出ないような、本当に怪しくいい加減な会社だったんです。だから、「こんないい加減な会社でもやっていけるんだ」という自信がついたのと、「いい加減じゃダメだな」という相反した気持ちを持つことになって。きちんとした会社で学びたいという気持ちになったので、「マイクロソフトは立派だから、行ってみようか」と考えたんですよね。

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田中
ちなみに、尾関さんはその会社では何をしていたんですか?
尾関:

インターネット放送局をお手伝いしていました。ほとんど遊んでたような感じでしたが。その後APENというアジア太平洋起業家ネットワークのサークルに携わって……。

田中:

そのアジア太平洋起業家ネットワークというのは、自ら作ったんですか?

尾関:

いや、東大の院生だった女性がちょうど作ったばかりの頃で、それをホームページで見つけ、「面白そうじゃん」と興味を惹かれたので手伝おうと思って。

田中:

なるほど。他には学生時代に何をしていたんですか?

尾関:

国内を旅行をしてました。いろいろ、食べ歩きしたりして楽しかったですよ。

田中
結構、モラトリアムな感じですね。そして、そのモラトリアムの終わりはいつ来るんでしょう? サイバーエージェントに入ったのはいつ頃ですか。
尾関:

それが、昔のことなので時間の感覚が今となってはよくわからなくなってるんだけど、とにかく「何かやらなきゃなー」と思ってるときにサイバーエージェントを見つけたんですよね。当時の社員は5名程度で。ちなみに、サイバーエージェントを手伝っていたころに、後輩が「この会社、面白いんですよ」と紹介してくれたのがネットエイジです。

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田中:

そもそも、どうしてサイバーエージェントを知ったんですか?

尾関:

たしか、ホームページで見つけたんだと思いますよ。

田中:

じゃあまずは自分で行って確かめてみようと……。サイバーエージェントでは具体的に何をやっていたのですか?

尾関:

最初は営業から始めました。

田中:

それはアルバイトで?

尾関:

まあ、アルバイトみたいなもんですよね。サイバーエージェントでは一期目の新卒内定ですよ。新卒内定者はアルバイトのようなインターンのような、とにかく働くことになっていたので働き始めたわけです。サイバーエージェントは当初は営業代行の会社だったので、最初はウェブマネーの営業をやってましたけどね。

また、社内では毎晩、事業企画の提案というのを皆でやっていました。順番にプレゼンをするんですよ。「サイバークリック」が立ち上がったあとに、メールに広告を入れるサービスを提案しましたね。

田中:

ちなみにサイバーエージェントではどれくらい働いてたんですか?

尾関:

学生時代の後半と社会人になって少しとで合計、1年くらいかな。あまり会社にはいかずに、時たま営業にでかけたり、メールでインターネットの情報を流したりしてましたね。並行して、ネットエイジ社のネットディーラーズの営業もやっていました。

田中:

じゃあ、ネットエイジも絡みながらサイバーエージェントもやっていたんですね。最初にネットエイジを紹介されてからはどう関わっていたのですか?

尾関:

ネットエイジを紹介してもらってから、最初はサイバークリックの営業に行ったんですね。それなのに、気がつくとほとんど西川社長がアメリカのインターネット事情の話しかしていなかった(笑)。そしたら「ネットディーラーズ手伝ってよ」という流れになり、面白そうだからそれもいいかなと。

Zeel社長 尾関茂雄氏インタビュー
田中:

なるほど、それで関わるうちに、最後は就職したというような感じですか?

尾関:

一応、サイバーエージェントに内定していましたからね。とりあえずサイバーエージェントに入社したのですが、既に立派な会社になっていたサイバーエージェントが肌に合わなくなっていたので20日間程して辞めて、ネットエイジに戻ったのです。

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