東京電力福島原子力発電所の事故原因解明や安全規制のあり方を検証する事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎東京大学名誉教授)は7日午前、初会合を開いた。6月中にも福島第1、第2原発を現地視察することを表明。旧ソ連のチェルノブイリ原発に並ぶ史上最悪の事故となった背景の究明に取りかかる。事故直後の初動対応や、それまでの法規制や行政組織が適切だったかも検証し、再発防止に向けた提言をまとめる。
「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会」は中立的な立場で、菅直人首相をはじめとする政府や東電の関係者から事実関係を聴取する。中間報告を年内にまとめ、最終報告は事故収束後の一定期間後になる見通しだ。
首相は「技術面だけでなく政府の姿勢や原子力分野の閉鎖性を検証し、すべて公開してもらいたい。国際社会に信認してもらえるのか、国家の信用にかかわる」と述べた。
畑村委員長は「(原発が)危険であるのに安全だとして取り扱ってきたのは間違い」と指摘した。ただ原因究明を優先するため「責任追及はしない」とも語った。
また初会合後に記者会見し、委員会の提言について「100年後の評価に堪える内容にしたい」と強調。東電など当事者の責任を追及しない方針だが、違法行為が判明した場合は「しかるべき機関が責任追及すべきだ」との認識を示した。
事故はいまだ収束せず、東電は10月から来年1月となお先になると説明する。ただ事故直後の様子を詳細に分析するため、収束を待たずに検証を始める必要があった。
畑村委員長は失敗を分析して再発を防ぐ「失敗学」の提唱者。作家の柳田邦男氏や、被災地域を代表して古川道郎福島県川俣町長ら9人の委員がそれぞれの見解を表明した。技術顧問には淵上正朗コマツ取締役と安部誠治関西大学教授が就いた。国際機関など海外の意見も取り入れる。
福島第1原発の事故では、炉心溶融を防げなかった経緯などが明らかになっていない。津波を過小評価した理由、住民への避難指示や情報提供が後手に回った背景なども調べる。
原子力行政のあり方にどこまで踏み込めるかも焦点だ。原発規制当局である原子力安全・保安院は原発推進を担う経済産業省の傘下にあり、国際原子力機関(IAEA)などが独立性の確保を求めていた。保安院と、内閣府にある原子力安全委員会との二重審査体制も十分機能していないという批判があった。
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