Yahoo!ニュース
ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]



ここから本文です
[PR] クルマが高く売れる「節水洗車術」/結婚ハラスメント?月刊モンスター

「みせかけ退陣表明」 外交停滞、さらに悪化

産経新聞 6月6日(月)7時56分配信

「みせかけ退陣表明」 外交停滞、さらに悪化
拡大写真
今後の主な外交日程(写真:産経新聞)
 菅直人首相の「みせかけの退陣表明」は、9月前半の首相訪米をはじめとする日本外交にも、深刻な影響を広げつつある。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などで「外交敗北」の連続だった首相だけに退陣は好材料といえるが、時期が不明確なために、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題や北方領土、竹島問題など多くの課題が完全に停止してしまったからだ。6年連続となる首相交代劇が、日本の外交力を落とす悪循環もあり、日本外交は、なかなか出口が見えない。(酒井充)

 ◆首相、訪米まだ未練

 首相は5月26日(日本時間27日)にフランスでオバマ大統領と会談し、9月前半の米国公式訪問を招待された。

 「感謝する。しっかりと準備を進め、よい訪問にしたい」

 そう快諾した首相が辞意を表明したのはわずか6日後。首相辞意を聞いた外務省幹部は「だれであっても『日本の首相』の9月前半訪米は変わりはない」と強調するが、首相の軽さを改めて印象づけた。

 日本の首相の米国公式訪問は平成18年6月の小泉純一郎首相(当時)を最後に途絶えている。頻繁な首相交代が影響しており、民主党政権も流れを断つことができていない。鳩山由紀夫前首相は「東アジア共同体」構想を打ち上げ、普天間移設問題で迷走。昨年6月に就任した首相は「日米同盟重視」路線に回帰したが、普天間問題の結論は1年たっても出せなかった。

 沖縄県側は日米で合意した名護市辺野古崎への移設を「不可能」(仲井真弘多(ひろかず)知事)としている。就任早々の首相が沖縄側を説得するのも、沖縄側の反発を押し切って移設を決定することも難しい。こうした状況から政府内では「菅首相の訪米花道論」まで浮上している。任期中に普天間問題の解決・責任を負って退陣という算段だ。

 首相も自身の訪米に未練があるようで、2日夜の記者会見で「しっかりと責任を持ち、あるいは責任を引き継いでまいりたい」と微妙な発言だった。ただ「退陣を表明した首相に外交の資格があるのか」との批判や、首相が9月まで続投することに民主党内でも反発があり、簡単ではない。

 ◆領土問題 置き去り

 首相退陣の影響は日米関係にとどまらない。昨年9月の中国漁船衝突事件で関係が悪化した中国とは、5月22日の首脳会談で関係改善を目指すことで一致した。両政府は首相や外相の訪中に向けて日程調整に入ったばかりだが再考は必至だ。ロシア、韓国はそれぞれ北方領土、竹島の実効支配を強化する動きを加速させているが、解決の道筋はみえない。

 9月下旬以降も国連総会やアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議などの首脳外交が続く。そこに出席する首相がだれかを早期に決められなければ、日本外交の停滞は一層続くことになりそうだ。

【関連記事】
・サミットでも「ペテン師」ぶりをみせた菅首相
・退陣時期なお明言せず「特例公債法案に道筋つけたい」
・「ポスト菅」レースの行方は?小沢グループ「草刈り場」か
・前原氏、民主党代表選の出馬否定せず
・民自幹事長「大連立」で足並み、岡田氏「2年後まで」

最終更新:6月6日(月)19時54分

産経新聞

 

この話題に関するブログ 1件

主なニュースサイトで 北方領土問題 の記事を読む

PR

PR
ブログパーツ

国内トピックス

注目の情報


PR

注目の商品・サービス

PR