憂楽帳

文字サイズ変更

憂楽帳:流言

 「原発事故で援助物資が入ってきません。病気の高齢者100人が孤立し、このままでは餓死、凍死してしまいます。助けてください」。3月下旬、こんなメールが転送されてきた。

 福島県いわき市の老人ホームに電話すると「確かに大変ですが、一番困っているのはガソリンが足りないこと。死者が出る状況じゃありません」。入所者を心配する人が電子掲示板に大げさに書き込み、広がったようだ。

 たちの悪い流言飛語もあった。同じ頃、「外国人犯罪集団が出没し、略奪やレイプを繰り返している」という情報が寄せられた。だが、被災地の警察に届け出はない。根拠のないうわさがツイッターなどを介して流れていた。

 インターネットが普及した社会で起きた東日本大震災。特にツイッターは安否確認などで役立った半面、不確かな情報も瞬時に流布させた。混乱に乗じて人々の不安をあおるデマに対しては、関係者・機関が正しい情報をすばやく発信することが重要だ。そして何より、私たちも情報の確かさを見極める目を養いたい。【森本英彦】

毎日新聞 2011年6月7日 12時00分

PR情報

スポンサーサイト検索

憂楽帳 アーカイブ

6月7日流言
6月6日ローン借り換え
再生の物語
密輸トンネル
6月4日「B級」は褒め言葉?
「貴重ノ術」
めどが立たない
たばこの被害
6月3日茶の湯で婚活
想像すること
親の悲しみ
6月2日輪島塗
誰かが
記憶のない遺産
6月1日かみなりおやじ
茹でガエル
映画女優
NIMBY
5月31日仮設住宅
講習会
32年後の問い掛け
5月30日生きて帰って
作兵衛さんの絵
心の「占領」
5月28日国鉄マンのうどん
消えた崖
格安航空
「福島」に込めた願い
5月27日アフリカに呼ばれて
田植え
トントンセット
5月26日九州新幹線
修学旅行
CT検査
5月25日大相撲の魅力
甘え
映画人の思い
寛容の精神
5月24日きららちゃん
追いつけない
ダフ屋も呼び寄せた
5月23日母の大阪駅
長い目で
書店主の願い
5月21日ちゃんぽん係長
「福島の原子力」
ラジオ
福島からの声
5月20日なにわ牛
農業体験
発症の地
5月19日推理作家の愛した寺
繋ぐ
ステテコ
5月18日型破り
住宅再建
カンヌ流
乗り越えた時
5月17日春の悲しみ
日本に元気を
独りぼっちじゃないよ
5月16日火災警報器
寄付
パレスチナ人の廃村で
5月14日イノシシB級グルメ
想定
危機意識の共有
山里の味
5月13日おにぎり
母の介護
混み合う献血
5月12日杉玉
距離を超えて
つながる
5月11日仙台の桜
法災と公助
表現者たちの闘い
傾聴ボランティア
5月10日「天国と地獄」
きらら浜
原爆被害者と震災
5月9日身の回りから
想像力
大虐殺を生き残り
 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画