フリージャーナリスト上杉隆氏は、事故が起きてからずっと政府の対応に警鐘を鳴らし続けてきた。氏の言動には賛否両論あるが、筆者はその姿勢を見習いたい。その上杉氏の姿勢について考える。
先日の上杉氏の記事「福島原発事故レベル7は日本の「敗戦」。 我々はいまその現実を直視しなくてはならない|週刊・上杉隆|ダイヤモンド・オンライン」を読めば、氏の報道姿勢がわかる。
【1】詳しくなくても、危機意識を持てる
私たちは詳しくないことには受身になりがちだ。危険だと感じているにもかかわらず、「安心です」と言われれば心の安定を求めてそれを信じようとしてしまう。だが知識がなくても詳しくなくても危険だと感じている自分の気持ちを大切にすべきだ。上杉氏は以下のように述べる。
『筆者自身は原子炉に詳しくない。だが、原子炉の構造や過去の同種の事故を知っている者に直接取材をし、そのほとんど全員が、当初から口を揃えてそのように指摘していたことで、この事故が政府や東電、さらには大手マスコミなどの言うような軽い事象では済まされないことに気づいたのである。』
氏は、原子炉に詳しくなかったが、問題意識をもったことでジャーナリストとして行動した。知識を持たざる人間でも危機意識を持つことで、行動に移せることを上杉氏は表現した。情報を持つ人間たちに対して、情報を持たざる人間がどのように立ち向かうべきか、という市民側の命題を氏は背負っていたことになる。
氏は続けて次のように述べている。
【2】目的を設定し、受身にならずに行動する
いざ行動するにあたり、目的を設定することで、取るべき手段がわかる。取らざるをえない手段もある。
『結果として私の役割は、「最悪の事態(レベル7)」にならないために、政府や東電に直接訴えかけること、さらには彼らの隠している情報を暴き、住民や国民に提供することにあった。』
情報を暴くというジャーナリスト本来の姿勢はぶれていない。決して知識人のように、持っている知識を市民に与えるという高慢な態度で振舞わず、野蛮に「暴く」事を目的としている。この「暴く」行為がどれだけ「泥」にまみれた行為かを、氏は常にTwitterやラジオで示し続けてきた。
上杉隆氏「IAEAが日本に勧告「正しい原発情報出せ」。ヨーロッパの国は国外退去命令出てる」【音源アリ】(追記アリ)
上杉隆氏の皮肉「日本人だけが放射能に強いのか」をわかりやすく
電話での政治家とのやり取りや、アメリカの友人からの情報など、危険に感じる情報はそれがどんなに小さな情報でも上杉氏は発信してきた。なりふり構わないという言葉がふさわしい。上杉氏が語る情報には、これまで私たちがメディアから受け取ってきたような、「いかにもな信ぴょう性」はなかった。日本のタブロイド紙や既存の極左や極右のように、ただただ危険を煽るだけの感情的な「定番のフレーズ」もなかった。ただただ、ひょうひょうと上杉氏個人の言葉で語り続けてきた。
【3】言葉は稚拙でも、伝えられる
専門的な言葉は難しい。私たちは、知識がないことを恥じる傾向にある。正確な言葉を知らないせいで、語れない時がある。だが危険を隣人に知らせる際に専門的な言葉を用いるだろうか。危ない、逃げろ、とだけ伝えるのではないか。そう、専門的な言葉を用いなくてはならない、という発想は頭の隅にやっていいのだ。
『ちなみに、3月16日の午後の取材メモにはこう記されている。
【再臨界の可能性。1号機、3号機の建屋爆発は重大事態。原子炉、冷却できず、燃料棒のメルトダウン。格納容器? 絶対的に壊れないというのは嘘? 3号機、MOX燃料。ヨウ素、セシウムが検出されれば、普通にプルトニウムも放出されている? 作業員への健康チェック。最低30キロ圏外への住民避難。妊婦、赤ちゃん、思春期前のこども、緊急避難が不可欠。最悪の場合 チェルノブイリ化(石棺?)も】正直に告白すれば、この時点での私はまだ原子炉についての知識を持ち合わせていなかった。そのためか、このメモにも、原子力の専門用語に疎い部分が窺える。』
この部分が、我々が最も学びたい箇所だ。正しい言葉、専門的な言葉を用いることは大切だ。だがその言葉に疎いことで、発信が遅れてはならない。ひるんではならない。稚拙な言葉でも危険を促すことが大切だ。東北地方の津波から生き延びた人の言葉を思い出す。
「あなたが全力で逃げる姿こそが、周囲の人に危険を伝える」
アーティストの斉藤和義氏が発表した反原発ソング「ずっとウソだった」も音楽界では批判もあったが、ただただ伝えることに特化していた。原発事故のような危険なときに知識や音楽性などの専門性にこだわるのは足かせになる。ただただ全力で危険を叫ぶことこそが、伝えたい人の手段だ。
昨日4月18日、上杉隆氏が暫定代表を務める自由報道協会がニュースサイトを立ち上げた。
メディアを持つことで上杉氏の活動はどのように変わっていくのだろうか。
追記)上杉氏本人に本記事が届いた。Twitterすばらしい。
http://twitter.com/#!/uesugitakashi/status/60447024927088640
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1. ここは酷い核融合実験ですね
- [障害報告@webry]
- 2011年04月21日 02:25
- asahi.com : 核融合研の実験、市民団体が中止要望 原発事故受け - マイタウン岐阜 http://mytown.asahi.com/areanews/gifu/NGY201104190014.html もう反対する理由がなんでもありだな はてぶで核家族にも反対するとか実現性のほうが心配だとかいわれていたが 自然科学研
というか城南信用金庫にわたしも口座を作ろうかと思っています。三菱東京UFJはネットバンキングができて便利、そして家賃とかクレジットカードとかの決済で使っているのでゆっくり移行していく予定です
http://bit.ly/dRnxBo
こういうこともありますね。