オスプレイ配備:市民に反発と懸念

2011年6月7日 09時30分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(5時間29分前に更新)

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備について、沖縄防衛局(真部朗局長)は6日、防衛省からの情報として「米国政府が、2012年の遅くから第3海兵遠征軍(在沖海兵隊)の輸送ヘリCH46と代替することになる」旨を発表したと県や宜野湾市に伝えた。

 伝達された発表内容では、全体状況として海兵隊がCH46を順次「MV22に換装するプロセスにある」と説明。12年遅くから在沖海兵隊のCH46に代替することになるだろうとの表現で、同機種に代わり米軍普天間飛行場にオスプレイを配備する方針を示した。

 防衛省幹部はこの伝達について「米国防総省からの情報収集で把握したものを知らせた。関係自治体への配慮の一環だ」と説明し、正式通報は今後両国間の外交ルートを通じて行われるとした。

 安里猛宜野湾市長は「海兵隊航空計画の中で伝えられてきたが、日本政府からの連絡は初めて」と指摘。その上で「『安全性』についても疑問がある。日本政府も実証し、対応を説明するべきだ。普天間の危険性除去という観点からは逆行しており、市としては到底認められない」と訴えた。

安里市長は9日、県庁を訪ね、配備に反対する意思を再度伝えて県に協力を求める方針だ。

配備伝達に市民反発
オスプレイは、より安全で静か
「危険性除去と完全逆行」

 【宜野湾】「CH46ヘリと比較した場合、オスプレイはより安全で、一般的により静かで、相当能力が高い」―。垂直離着陸輸送機オスプレイの普天間飛行場への配備について6日、沖縄防衛局が米側の方針を宜野湾市に伝えたことに対し、同市では反発や懸念の声が上がった。

 宜野湾市議会の呉屋勉議長は、沖縄防衛局の伝達について「正式な配備に向けた地ならしだ。ヘリの訓練が激化する中で、オスプレイ配備の話が出ること自体、納得がいかない」と批判。13日、市が市役所前で実施する抗議の座り込み行動に賛同する意志を示した上で「6月定例会で、きちんと議会の意思表示をする必要がある」と力を込めた。

 2004年に米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学を抱える市宜野湾区の仲村清自治会長は「過去に多くの墜落事故を起こしたオスプレイが『より安全で、より静か』とはどういう判断なのか」と指摘。「配備は、危険性の除去と完全に逆行している。絶対に許さない」と語気を強めた。

 市商工会の松堂辰也青年部長は「普天間跡地に国営公園を誘致する動きがあるのに、頭に入っていないのか」と訴えた。「配備は嫌がらせだ。早く辺野古に移そうとあおり立てているように感じる」と語った。

 市観光振興協会の松谷秀夫会長は「海兵隊の沖縄撤退は時期尚早と考えるが、オスプレイ配備は、普天間の固定化につながりかねない」と懸念。「危険な普天間の返還がなぜこれだけ延びるのか。国の責任で解決してほしい」と話した。

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