共同声明の署名を終え、握手する菅首相とベトナムのグエン・タン・ズン首相。後列中央は前原外相=31日、ハノイ(代表撮影・共同)
歓迎式典後、首脳会談へ向かうベトナムのズン首相(左)と菅首相=31日午前、ハノイ(代表撮影・共同)
【ハノイ共同】菅直人首相は31日午前(日本時間同)、ベトナムのグエン・タン・ズン首相とハノイ市内で会談し、同国が進めている原子力発電所2基の建設を日本が受注することで事実上、合意した。ベトナム北部の鉱山で産出するレアアース(希土類)の共同開発でも一致した。
両首相は会談後の共同記者会見で、合意内容を盛り込んだ共同声明を発表。菅首相は原発受注とレアアース開発について「両国の戦略的パートナーシップを象徴する案件だ」と強調した。
共同声明には、ベトナムが建設を予定する原発4基のうち、日本が官民一体で受注を目指している2基について「協力パートナーに日本を選ぶ」と明記。同行筋は「基本的に日本企業が選ばれる」と説明した。
レアアース開発は探査、開発、精製を共同で実施する。ベトナム側は資金、人材育成、技術開発での支援を求めており、今後、政府間で具体的な取り組みを協議する。
会談で菅首相は、港湾建設などに約790億円の円借款を供与する意向を伝達。