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【長野】

路線範囲から水源域除外を 飯田市、環境への影響調査公表

2011年5月27日

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 飯田市は26日に開かれた市議会全員協議会で、リニア中央新幹線について「市の水源域にあたる松川、野底川両流域にトンネルが施工された場合、渇水や水質汚濁が懸念される」とする調査結果を公表した。

 基本計画で示された20キロ幅の路線範囲に両流域の一部が含まれていることから、市が学識経験者らの協力で調査を進めてきた。今秋以降の着手が見込まれる環境影響評価に合わせて路線範囲が3キロ幅まで絞り込まれることを踏まえ、市側はJR東海に対して路線範囲を水源域から除外するように求めていく方針。

 調査結果では、両流域に設置された妙琴、砂払、野底の3浄水場の給水人口が市全体の95%を占める現状を示した上で「水源域にトンネルが施工された場合、トンネル自体が水抜き坑となり地下水位の低下を招き、河川や沢の渇水に至る可能性が高い」と指摘した。

 また調査に携わった信州大農学部の北原曜教授は、松川と野底川で1961年の豪雨災害「三六災害」に代表される大規模な土砂、洪水災害や渇水が過去に繰り返し発生してきた経過を踏まえ「両流域にトンネルが掘削されれば、市民に水資源と災害の両面で深刻な影響を及ぼす可能性が指摘される」として、路線範囲を水源域から外した上での施工を主張している。 (長谷部正)

 

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